アノニマ・スタジオWeb連載TOP > 暮らしのなかのSDGs もくじ > その3 SDGsをかんがえるブックリスト【ごはん編】1

イラスト/江夏潤一


その3

SDGsをかんがえるブックリスト
【ごはん編】1


「今日は何を食べよう?」と考えたとき、さまざまな選択肢があります。家で作って食べることもあれば、外食をしたり、テイクアウトや宅配サービスを利用することもあるでしょう。
どんな食材を選び、どうやって食べるか。普段から何気なく行っていることでも、掘り下げていくとSDGsにつながります。例えば、野菜をまるごと使い切ること。葉や茎の部分も、ひと手間かけることでおいしいおかずになったり、捨ててしまいがちな皮やくずからは栄養たっぷりの野菜だし(ベジブロス)をとることもできます。冷蔵庫にあるものから献立を決めるのも、食品ロスの削減になります。

今回は、食をテーマに3つのキーワードで本をピックアップしています。それぞれの内容に関連するSDGsの目標のマークを入れていますので、参考にしてみてください。



「お弁当」は良いこと尽くめ



『日々のお弁当図鑑』
森かおる

京都・大山崎の料理教室〈Relish〉を主宰する森かおるさんの考え方の根元には、「家のごはん」文化を次世代にきちんと引き継ぎたいという強い想いがあります。スーパーやコンビニに行けば、季節を問わずさまざまなお惣菜が揃い、趣向を凝らしたお弁当がたくさんある一方で、今の日本では毎日たくさんの食品が廃棄されているのが現状です。作るよりも買うほうが手軽で楽ではあるけれど、家で作るお弁当は経済的でエコロジカル。余ったおかずを活用できるうえ、お弁当箱を使えばゴミも出ません。普段のお弁当作りは、さまざまな面でメリットがあるのです。





『まいにちの子そだてべんとう』
良原リエ

毎日のごはんが体を作るから、お弁当もおいしくて安心なものを手渡したい。子どもの心と体と成長を考えた良原さんのお弁当作りは、彩りとバランスの良さが特徴的です。子どもの腸は大人に比べ、たんぱく質を分解しにくいため、ごはんと野菜はしっかり、お肉は控えめに。また、繊細な舌を持つ子どもには素材を生かしたシンプルな調理と味付けが一番です。野菜など生で食べられるものはまるかじり。火を通す時も、蒸す、ゆでる、煮る、焼くなどしてから塩や醤油をぱらり。素材や調味料にはこだわるけれど、手間ひまはかけないお弁当作りは時短にもなり、負担が少ないことも大きな魅力です。





台所からサステナビリティをかんがえる



『野菜たっぷり すり鉢料理』
宮本しばに

ボタンひとつで使える電動調理器具もある意味では便利だけれど、日本の台所道具はとても機能的。「すり鉢」はひとつでたくさんの仕事をしてくれます。する、たたく、つぶす、おろす、あえる。そのまま器にもできるので、洗いものが少なくて済むのもいいところ。すり鉢でごまをすり、その音を聞いて、香りを嗅ぐだけで心が落ちついたり、手仕事の良さを改めて感じさせてくれたりします。





『台所にこの道具』
宮本しばに

土鍋、羽釜、丸網、鬼おろし……。日本の台所道具を愛する宮本しばにさんが選んだ16の道具に対する愛情あふれるエッセイと、それぞれの特性を活かしたレシピを紹介します。頼もしい道具があれば、料理が変わり、台所仕事がたのしくなるものです。昔ながらの道具には、木・土・鉄などの素材にも確かな根拠があり、長く使うほどに魅力が増していきます。全編英抄訳付き。





『引頭佐知さんのだしとり教室 −だしのとり方と定番の和食』
引頭佐知

各地で「だしとり教室」を主宰し、天然だしのおいしさを広めることをライフワークにしている引頭佐知さんによる、家庭でだしをとって料理するための本。意外なほど簡単で便利なだしのとり方から、「昆布の佃煮」や「かつおのふりかけ」など、だしがらを使って作るレシピまで。無駄なくおいしい「だしとり生活」を始めてみませんか?





「ごはん」の先に見えてくるもの



『旅する八百屋』
青果ミコト屋(鈴木鉄平・山代徹)

自然栽培の生産現場で修業を積み、八百屋をはじめた青果ミコト屋のお二人。野菜を育てる農家と消費者との架け橋として、野菜の流通現場が直面している状況をつぶさに見つめ続けています。自分たちが普段口にしているものがどうやって生まれ、どこからやってくるのか。どんな仕事でお金を稼ぎ、そのお金で何を食べるのか。野菜のこと、食べることを通じて、働き方や生き方についても問いかけるエッセイです。





『世のなか 食のなか』
瀬戸山玄

米のうまさ、海苔の口どけ、豆腐の甘み、塩のまろやかさ、ごま油の風味……。食卓に向かう時の心の豊かさは、ありふれたものを大事にするところからはじまります。「戦後70年近い間に食料自給率を4割まで落とし、独立国の体裁を失いかけているのに、政府は農家と漁師たちを真剣に守ろうともしない。けれど世界中見回しても日本は、食材を上手に扱う技に恵まれた稀有な国なのだ(はじめに より)」。『暮しの手帖』の人気連載をまとめた本書。手間ひまかけてこしらえた、食のドキュメンタリー17篇から、現代日本の食生活を支えている背景が見えてきます。





『フードスケープ −私たちは食べものでできている』
アーツ前橋

ひと皿の向こうには、私たちが見ていない世界が広がっています。この本は、群馬県前橋市の美術館〈アーツ前橋〉で過去に開催された展覧会「フードスケープ」展のコンセプトブックです。食にまつわるさまざまなものや事柄を「自然」「社会」「文化」「変容」「身体」「とりこむ」の6カテゴリーに分類し、それぞれのキーワードを文章やビジュアルで紹介しています。食にまつわるタイムラインや「フードスケープを広げるための」ブックリストも収録され、この一冊で、あなたの「食の風景」がぐんと広がるはずです。







食べることは毎日欠かせないからこそ、一人ひとりが身近なところから考えられること。
自分はどんなふうに作られたものをおいしいと感じ、身近な人にはどんなものを食べてもらいたいか。そうやって考えていくと、今度は食材のことをもっと知りたくなるかもしれません。八百屋さんや魚屋さんに行けば、旬のものやおすすめの食べ方を教えてくれます。そのときに、生産者について聞いてみるのも良いでしょう。食べものと向き合うことで、台所に立つことで見えてくるSDGsがあります。







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編/アノニマ・スタジオ

アノニマ・スタジオは、KTC中央出版の「ごはんとくらし」をテーマとしたレーベルです。食べること、住まうこと、子育て、雑貨・・・暮らしを少し豊かにしてくれる生活書を中心に、本づくりやイベントを行っています。



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