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かぞくのブリコラージュ~自分たちで暮らしを作る、日常の発明記~かぞくのブリコラージュ~自分たちで暮らしを作る、日常の発明記~

文・写真・題字/中村家


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その9
 「嵐のあとのお庭ロッカー」for 娘/息子





夫婦にけんかの嵐が吹き荒れて、何を作るか決まらないまま時間が過ぎた後、お互い和解と理解で歩み寄ってからは、あっという間に出来たのは「お庭ロッカー」です。前回ブリコラージュで作った「庭道具つぎはぎ棚」のおかげで少しすっきりした我が家の庭の裏側。その勢いにのって、隣にあちこちに散らばっていた子どもたちの遊具をひとまとめに入れられる大きなロッカーを制作しました。材料は過去の展示で使った木材や、旧バター小屋だったゲージ、壊れた虫取り網なんかも組み合わせて、外遊びのグッズはここに集約!屋根もついて、長年雨晒しにされていた遊具たちにもようやく快適な居場所ができました。










嵐のあとのお庭ロッカーまでの日々
(2020年9月23日~10月31日まで)




9月23日

アノニマ・スタジオの村上さんと打ち合わせで吉祥寺。「街でお茶」するのちょっと久しぶり。喫茶店の席と席の間はアクリル板で仕切ってあった。簡易的だけど、こういうのを用意するのも大変だ…。打ち合わせでとても嬉しいことがあった。どかーん!ってくらい、うれしかったのだけど「嬉しさ顔に出ていませんよ」と言われた。わたしは顔には出ないタイプ。欲しかったコーンミールを買って帰る。


9月24日

会社の決算用資料をまとめる(いちおうひょーさんの会社の経理担当)。今期は散々。逆に清々しい。変わるべき時だ、と開き直り。




9月25日

樹根の保育園で近くの山に遠足に行くはずが、近隣にクマが出没しているというので中止に。久々にコーンミールを使ったパウンドケーキやらスコーンやらを焼いたら、美味しい。「この黄色いのまた作ってね」と樹根も好評。




9月26日

千葉県大多喜のMitosayaへ。ひょーさんが立ち上げる(予定)の新しいプロジェクトで協力してもらうことになっていて、その実験というか打ち合わせというか。植物を採取したり、煮出したりしている間、子ども達はMitosayaのミトちゃんサヤちゃんと餃子を作ってくれてた。夜はバラの花やお煎餅が入った「あたり餃子」入りの餃子パーティー。


9月27日

最近、押し麦を混ぜてごはんを炊いてる。「おしりむぎ?」「おしりむぎ!」と3歳の樹根だけでなく9歳の花種さんまで嬉しそう…。次回ブリコラで何を作ろうかねえ、と決まらないまま時が経過。ひょーさんはもうすぐまたhito pressの展示で出張(旅行?)でいなくなるし、どうしようかなあ。


9月28日

子ども達を学校と園に送って行って、クラスのお母さん友達と隣町のコーヒー店へ。いつも子どもが側をウロチョロしている中、時に声を潜めて(子に聞かれたくない話だってあるのよ)抑え気味に話していたので、思う存分話せる環境、うきうきとしてしまうわ。午前中からカフェでカフェラテ飲めるとか、そういうのもうきうきしてしまうわ。




9月29日

hito press企画で写真家の石田真澄ちゃんと濵本奏ちゃんのインタビューを鎌倉の海辺にて。ひょーさんは終わった後そのまま奏ちゃんと大阪(hito pressの写真展が始まるので)へ新幹線で向かいました。鎌倉といえばパラダイスアレイ。パンを買う。ほかに行ってみたいお店もあったけど、子ども達のお迎えの時間が迫るので、車ぶっとばして藤野へ帰った。




9月30日

朝のバタバタした時間にひょーさんから電話。わたしたち夫婦は離れている間、基本的に連絡を取り合わない。ので、電話なんて嫌な予感しかしないと思っていたら予感的中。会社の通帳やキャッシュカード、クレジットカードなど全部入った財布を落としたらしい…。哀しみ。




10月1日

このあたりは十五夜の日に「お月見ください」という子ども向けの慣習がある。家の前に置いてあるお菓子を「お月見ください」と言って子どもたちがもらっていく、とうもので(まるで和製ハロウィン)本気で練り歩けば一年分くらいのお菓子が手に入るのです…。今年はコロナでないと思っていたら、午後にはお菓子を置いているお家がちらほらと。花種さん「ちょっと行ってくる!!」と鼻息荒く家を飛び出して行き、日が暮れても帰ってこない。真っ暗な道を捜索していると、道の向こうから溢れんばかりのお菓子を抱えた花種さんの姿。もう今日のごはんはそのお菓子でいいんじゃない?(と疲労困憊の母)


10月2日

花種さんのクラス、家つくりの真っ只中。シュタイナー学校では4年生で「家」を作るのです。学年それぞれ、いろんな家を作ってきていたのを見てきたけど、今年は木と竹で組んだ骨組みに土を塗って壁にして、屋根には藁をかぶせて作るそう。学校にいるほとんどの時間を費やして、毎日毎日どろだらけ汗だらけになって先生と子どもたちで作っている。送り迎えの時に見るたび、「家」になっていく。「家」ってできるんだあ…なんて思う。




10月3日

そういえば、生のプルーンの美味しさに目覚めた今年。目覚めた時にはシーズンが終わってしまうというね。来年はいっぱい食べよう。ひょーさんが大阪から帰宅。花種さんはなんだか風邪気味。


10月4日

朝「財布のその後をきかないね?」とひょーさん。「そっちから何も言ってこないってことは良い話は何もないのでしょ」と言うと、その通りのようだったので追加質問等せず、早めに会話を切り上げました。聞いても仕方ないことを聞きたくない。心の負担は負いたくないデス。




10月5日

2人とも風邪。学校も保育園も休み。久しぶりに喉がゼコゼコの樹根は「もう〜朝は元気だったのに!朝の樹根と交換したいよ」と嘆いていました。夜はおじや。樹根は二回も吐いたので食べるのやめておこう、と伝えると床に突っ伏して号泣。「どうしてよおおおおお!お腹がすいて死んじゃうよおおおおおお」と絶望の淵に。さすが食べるの大好きボーイ。




10月6日

家つくりは佳境に入っている。1日休んだだけで、土壁が完成していてびっくり。樹根はまだ全快じゃないので今日もお休み。でも午後にはずいぶん元気になったので庭の畑の雑草を抜いて、耕すのを手伝ってもらった。春から育てているいちごが随分育っているので、広い場所に植え替えてあげたい。大根、ルピナス、菜の花なんかの種も植えた。時期がちょっと遅れてしまったから、うまく育ってくれたらいいんだけど。




10月7日

おやつに焼きりんご。シナモンあると思っていたのに、スパイス棚をみてみたらない。なぜかカルダモンの瓶は4本もあった…。花種さんは友達の家に遊びに行っていたので、樹根と樹根の友達あきとといただく。樹根とわたしで一個をシェアするつもりだったのに、一人で全部食べる気満々の様子。「一口ちょうだい」と言ってもらうと「大きい一口やめてよおお〜〜〜!!」と叫ばれたけどさ、大きくたって一口は一口よ(食い意地)。




10月8日

近所のス・マートパンのお休みが終わり(夏から秋までがおやすみ)ついに再開!うきうきと花種さんと樹根とパンを買いにいく。生まれた時から誰といてもどこにいても、オープンマインドな樹根は店主のスミさんといつも楽しくおしゃべりしてるけど、花種さんは黙っている。スミさんが話かけてくれても小さ〜〜な声でしか返事できない。家では「美味しい〜〜美味しい〜〜!ス・マートパンのパンが世界一すき!!」と言っている花種さんなので、いつかその気持ちを言葉にして伝えられたらいいね、と思う。自分の気持ちを伝えることで相手を幸せできることも、たくさんあると思うからさ。




10月9日

花種さんの誕生日。10歳。コロナ以降会えていなかった三重のじいじばあばが来てくれるという嬉しいサプライズあり。リクエストのぶどうとバナナのタルトを作ってお祝い。めくるめく10年だった。人を一人育てるなんて思い通りになんていくわけない、と花種さんが教えてくれた。だからこそ、わたし一人だったら絶対知ることも感じることもできなかったことに出会えた。花種さんが出会わせてくれたんだね。痛みも後悔も葛藤もあったけれど、大口開けて笑う10歳の姿に「すばらしき10年だった」と思える、そんな夜。この先もただでは進まぬでしょうけど、今日くらいは感慨に耽ってもいいよね。




10月10日

カブとルピナスと菜の花の芽が出た!やったあ!ブリコラージュで何を作ろうか悩んで、ひとまず庭の裏が「つぎはぎ棚」(ブリコラその8)のおかげで少し整理されたので、その勢いにのって(?)アクティビティ棚を増設しようか、ということになった。なんせ庭のあちこちに子どもたちが乗り捨てた自転車やらキックボードやらボールやらが散らばっているので、そちらも一箇所にまとめれるようにしたら随分よいのでは?と思ったのです。




10月11日

三重のお義父さん、お義母さんもいる前でひょーさんと口論に。最近のひょーさんは自分のやりたいことを夢中でやっていて、それはいいんだけども、損得勘定は一切行わず、他のことも一切手につかず、一点集中そのことしか見えなくなる!!のが夢中モードひょーさんの恐ろしいところなのです…。こうなると外の声はまったく聞こえなくなり、彼が一人突っ走っていった後には激しい土煙が舞い上がり、大事な落とし物がゴロゴロ転がり、わたしは煙に巻かれながら遥かカナタのひょーさんの背中を見つつ途方にくれる…というような毎度の状況がまた起こりつつある現在…。やりたい、のはわかる。でもさ…という話をぐるぐるとし続けて、未だ解決作見つからず。




10月12日

三重のじいじとばあばが帰ってしまい、子ども達は寂しそう。今年お正月は帰郷できるのかしら…。樹根の喘息症状の改善のため、リビングのカーペットをひっぺがして早数ヶ月。下地に貼ったベニヤ床にすっかり見慣れて、このままでいいんじゃないかな?と思い始めた今日この頃。マーモリウムが届いた。100%植物由来の土に還るリノリウム(アマニ油とか入っている)で、抗アレルギー効果もあるらしい。頼れる大工さん、まことさんのおかげであっという間の床が貼れた。ツルーンスルーンと滑りがいい床となり、部屋のこっちからあっちへと滑ってスケート気分の樹根。


10月13日

近所のおうちにピラティスの先生が来てレッスンしてくれるというので行ってみる。1000円という破格の参加料。気持ちよく体を動かし、帰り道に車をガチーンとフェンスにぶつける。ガチーンとぶつけたんだね、というヘコみは出来たけど鉄でできたジムニーは強い。音と衝撃に対しては驚くほど軽傷。ジムニーに乗っていてよかった。




10月14日

4年生の家がついに出来て、落成式があるというのでひょーさんと樹根と参加した。校庭の一角に建った、立派な家。土の壁には植物の種も埋め込んでいて、なんと芽がでていた。落成式で放り投げるお菓子を前日夜10時過ぎまで作っていた花種さん。クラスの子達もみんな思い思いのお菓子を作ってきていて、それを家の前から空にむかって投げてくれるので、大量のお菓子を拾うのに樹根は夢中。ひとつのものを作り上げた達成感でいっぱい、という子どもたちのいい顔。

10月15日

10月とは思えない寒さ。ストーブも早々に点火して、ストーブの前から動けない。



10月16日

またひょーさんが来週からいない(hito pressの展示で全国行脚中)ので、ブリコラ作業。私の中にどうにも積もっていく、ヨクナイ感じの思いがあるのだけど、そのことを話し合ってもお互いの主張が平行線。平行線のまま、目の前の日常や作業をしていて、どうにもこうにもヨクナイ感じ。

10月17日

滑って転んで腰をものすごく強く打った。雨でブリコラ作業もできず。ギャフン。



10月18日

ひょーさんは明日から大阪〜福岡で一週間不在。腰も痛いし、どうにもこうにもやりきれなさが募り、そんなわけでまた口論となる。まったくケンカばかり。ケンカしながらのブリコラ。せっかくのス・マートパンのマフィンも味がしない。



10月19日

気まずいままひょーさん出発。夕方、空がきれいだよ、と花種さん。見るとそんなに劇的ってわけじゃなくて、暮れていく空の合間合間に薄ピンク色の光が見え隠れ。でも花種さんは「よくみてごらんよ、すごくきれいだよ」と。そうだよね。劇的な色とかじゃない、今日の空も十分きれいだ、としみじみ。

10月20日

花種さん遠足。現在「動物学」を学んでいるので牧場に。牛に豚に羊、それに仔牛もいたんだって。「ほんとうにかわいかったよ〜。でも牛ってフンとおしっこをまぜて体に塗るからすごく臭かった。マスクがあって助かった」と正直な感想。



10月21日

アノニマ・スタジオの村上さんと打ち合わせ。しゃべりまくって気分高揚したままに別れ、せっかくだからちょっとカフェで仕事でもしていくか、とパソコンを出したら水筒の水が溢れてて水没していた。真っ青。修理店に駆け込み、治るかどうか待っている間、井の頭公園を落ち着かない気持ちで散歩。花種さんが生まれてから3歳くらいまで、三鷹の家からこの公園までは散歩ルートだった。居場所がないように感じたり、生きていけないような気がしたり、そんな気持ちの時もベビーカーを押しながらこの公園を歩いていた。あの時苦しかったけど、振り返ってみればあの時のわたしもきっと、しあわせだった。そう思える。等々センチメンタルな気持ち高まりつつも、結局パソコンは治らず、でもデータは無事だというので、近くのヨドバシカメラでmacを買って、持ち込みデータを移してもらうことに。泣きっ面に蜂ってな気分だ。

10月22日

クラスで花種さんの誕生日会が行われるので、朝からケーキをクラスメイト全員分作らなくちゃいけなくて、その上花種さんは自分もスコーンを焼いてみんなに配りたいと言う…。というわけで5時からけケーキとスコーンを焼き続ける。なんとか間に合い子どもたちを送って、アノニマ・スタジオで連載させてもらっている『ケンカの後は一杯のお茶』の取材に車で向かうも、予定よりうんと早く家を出たのに、信じられないほど道を間違えて到着まで三時間もかかった。ものすごく遅刻してしまい全身から冷汗。焦りすぎてずっと連載で写真を撮ってくれているカメラマンわかなさんに「見たことない顔しているよ」と言われる。取材先の方もわかなさんも怒ることなくねぎらってくれ、涙がでそう…。取材後パソコンのデータが入るだの入らないだのと修理店とやりとりしたり取りに行ったり、なんだかとてもとても大変な日だった。



10月23日

花種さんが学校でもらってきたお祝いの花たちの可愛さ。



10月24日

今日は樹根がライ麦パンをもらってきた。園の庭でつくった麦を、みんなで石臼で粉にして、作ったライ麦パン一切れ。「これは大事なパンだねえ」というと「うん!大事だからお正月までとっておく!」と樹根。それはさすがにとっておきすぎだ…。「ママにも一口ちょうだい」というと「なんでよ」とパンを隠す。母の一口を非常に警戒している模様。午後から花種さんも樹根もなんだか体調があやしい…。

10月25日

案の定ダウンのふたり。こまったこまった。離れると「ままーーー!!!」と泣くのでベッドから離れられない。税理士さんから会社の決算のことで電話がきたりでてんやわんや。ひょーさんから、帰宅が予定の時間を大幅にすぎそうと連絡がきて、いよいよ臨界点突破。怒りのラインを送りつける。とても動揺している様子だったけど、かまうことなく思いの丈はすべて言葉に。



10月26日

いろいろと思うところがあった様子のひょーさん。わたしの言っていたことも、やっと彼の中でも納得する部分があったらしく「こう生きていきたい」というあるべき姿が明確になったのはすごくいいこと。ぜひそのように生きていきたい。からこそ、今やるべきことを再度冷静に整理するべきでは?というような話が出来て、少しほっとした。怒りもだいぶおさまってきた。子ども達の体調も落ち着いてきた。ふうぅ…。



10月27日

嵐がやっと去っていった感のある我が家。10月の終わりもすぐそこ。落ち着いた気持ちでやっとブリコラージュの作業ができる。旧バター小屋や、展示で使った木材などを材料に、あんなにも進まなかった制作作業も、気分がノレば、あっという間にできる。



10月28日

庭のつぎはぎ棚に続く、「お庭ロッカー」が完成。今回はぜひ、タイトルの前に「嵐のあとの」と付けたい。「嵐のあとのお庭ロッカー」。自転車、ストラーダー、キックボードなどなど、かなり使い込んだ遊具が一挙に収納できます。屋根があるので雨にも濡れません。というか、逆に今までふきっさらしでごっちゃと放り出されてきた遊具たちの今までの年月を思うと、ちょっと言葉がナイわね。過酷な環境下でがんばってくれた遊具たちに感謝(今までごめん)。



10月29日

月がとてもきれいな夜。家族で、そしてクラスで、と誕生日祝いをしたのに近所の子達を招いてまたもパーティーをしたいというお祭り女、花種さん。「もうみんな誘っちゃったんだから」「みんな楽しみにしてるんだからやらないと」と言われて、企画・制作中村花種(影のサポートわたし)の生誕10周年パーティーの準備を手伝うことに…。



10月30日

花種さんの誕生日会近所の友人バージョン終了!朝からケーキ作ったりポンデケージョ作ったり、準備大変だったさ。けども、来てくれたみんなみんな楽しそうでヨカッタヨカッタさ。これにて、ほんとに10歳のお祝いは最後…さ!出し尽くした感。



10月31日

久々に家族みんなでゆっくり朝ごはんを食べる休日。どでかいパンケーキを焼いて、4枚にカットしてわけた。お日様があたたかくて、ドアを開け放って空気を入れ替えたり、布団を干したりしていたら、近所のイーさん・知ちゃん夫婦が筑波に住んでいるという友人夫妻を連れてふらりと来てくれた。わたしたちが作っている『家族と一年誌 家族』という雑誌を読んでくれたという、そのご夫妻。「今の世の中は、個人的な事柄がどんどん蔑ろにされているように感じていて、でもこの『家族』って雑誌はとても個人的なことを大事に作っている感じがして、ぐっときたんです」と、感想をくれた。『家族』も買ってくれた。片付け途中の我が家に入ってもらって、みんなでお茶を飲んで話をした。なんだかとても嬉しい土曜日の午前だった。



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中村俵太(ひょうた(父/夫)

「HYOTA」として空間デザインを生業にしつつ、中村家のあらゆる『家族』活動のディレクター的立ち位置も。決断力と実行力はあるけど計画や段取りは非常に苦手。人見知り。日本生まれ日本育ちなのに日本語がおかしい。極めて楽天的でポジティブ。家族愛は強いがピントがいつもややずれがち。

中村暁野(あきの(母/妻)

家族や生活をテーマに執筆活動を行なっている。理想を追って突っ走りがち。でもその突っ走りによって人生動かしてきたという自負もあるので、引き続き突っ走る気まんまん。ブリコラ生活の果て2021年夏「家族と一年商店」がオープンし小商店主という予想だにしていなかった人生展開もスタート中。

中村花種(かたね(娘)

繊細で敏感な子ども時代を経て、現在爆発的パワーで家族を圧倒する思春期入り口の13歳。極度の内弁慶だったけれど藤野暮らしの中で壁を越え、自分の世界を築こうと成長中。現在両親のやることなすこと、言うことスベテが気に入らない反抗期真っ只中。

中村樹根(じゅね(息子)

マイペースでごきげんな6歳児。人類みな友達的オープンマインド。恐竜がだいすきで1日の半分、心は恐竜の世界へ。甘いもの大好き。虫歯になりがち。姉とはトムとジェリーのような関係。

バター(うさぎ)

花種さんの膝に飛び乗るすきを常に伺っていた、アメリカンファジーロップのオス。2022年の3月、天国へ...。花種さんの部屋の前の、ユスラウメの木の下に眠っている。



家族カレンダー

中村暁野
定価 1760円(本体価格1600円)
ひとつの家族を自身の家族で取材して制作する雑誌『家族と一年誌 家族』編集長である著者による初めての自著。ブログに綴った5年の間には、たくさんの幸せな日とそうでない日とがありました。「家族」を通して自分と社会に向き合い続けた実験の記録。一日々々のかけがえのなさを感じられる一冊です。


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