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<番外編>自然あそびの場所選びガイド
ーひとつの地域に何度も通ってみるー

宮川流域(三重県大多気郡大台町)


 今回はちょっと趣向をかえ、番外編として「何度も同じ地域に通ってみること」の楽しさについて書きたいと思う。
 性格的なこともあると思うのだが、好きになったフィールドに何度も通いつめて、さらに新しいことを発見していくのがぼく自身は好きだ。「好きになったらしつこい」と言ってもいい。小学校5年生の頃から高校卒業までは、大阪と和歌山の県境にある犬鳴山。大学時代には、屋久島、熊野に通い詰めた。
 こうなったきっかけは、小学校低学年のころ参加していた「大阪のアサギマダラを調べる会」だと思う。金剛山と和泉葛城山を中心に、南方から飛来してくると言われていたアサギマダラ(マダラチョウ科)に油性ペンでマーキングをし「本当にこの蝶は移動しているのか?」という調査に大人に混じって参加していた。毎週のように同じ山に登り、同じ調査を繰り返す中で、大人たちといろんな話をした。
「なんや大輔くん、浅葱(あさぎ)色って知らんのか。『この浅葱風情が!』と薫大将だったか夕霧だったかが馬鹿にされるシーンが宇治十帖にあるやろ?」
「お、今年はここまでキジョラン(アサギマダラの幼虫の食草)がつるを伸ばしてきますね」
「大きなクスノキがあるねぇ。防虫や鎮痛剤の『樟脳』はこの葉からつくられるんやで。10円玉に書かれてる常緑樹はきっとクスノキやと思うわ」
 などなど(余談だが、現在ではアサギマダラは台湾から飛来することが判明している)。
 このように、同じフィールドに通い詰めたからこそ知り得た知識や楽しい遊びの記憶が、いまだに「何度も同じフィールドに遊びに行くこと」に向かわせているのだと思う。  川遊びや海水浴、登山、キャンプ・・・夏に行って楽しかった場所に、この冬から春にかけてもう一度行ってみることを、ぜひお勧めしたい。詳しくは本編で。




竹本大輔(たけもと・だいすけ)

1973年生まれ。大阪市阿倍野区西田辺町で生まれ育つ。幼少の頃は「三度の飯よりも昆虫好き」。山に川に海に出かけては、捕虫網を振り回している子ども。小5の時に、友だちとふたりで出かけた山中での初めての野宿に感動、それ以来キャンプは生活の一部になる。大学生の時は、YMCAでキャンプリーダーとして子どもたちとのキャンプに明け暮れ、現在は自分の家族や友人とキャンプという、今も昔も変わらない趣味。現在は愛知県名古屋市在住。妻と子ども3人(小5女の子、小2男の子、2歳女の子)の5人家族。「付き合ってあげよっか」というノリで私の趣味に付き合ってくれる理解ある家族。
 仕事は、冷温水機能のついたウォーターサーバーと天然水ボトルを宅配する会社。ブランド名は「アクアセレクト」。三重県の伊勢神宮ゆかりの天然水を届けている。ウォーターサーバーの宅配を通じて「田舎と都会を結ぶ架け橋」をスローガンに、都市部のお客様を採水地である田舎部へお連れするということも年間を通し行っている。その中でたくさんのご家族と天然水の採水地を訪れ、「自然に親しむということとはどういうことなんだろう」と別の視点からも考えるように。
 春は野草観察、山菜採り、家庭菜園。梅雨になれば梅干し、梅酒つくり、そしてカブトムシ捕り。夏には、夜の川に潜りウナギ捕り。海に出てはカヤックやヨット。秋には木の実を探し歩き、登山を楽しむ。冬には雪山登山やスキー。まだまだ子どもが一緒に楽しめないものもあるが、一年を通してアウトドアライフを楽しんでいる。



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