アノニマ・スタジオWeb連載TOP > かぞくのブリコラージュ~自分たちで暮らしを作る、日常の発明記~ もくじ > チャプター2 その3 ブリコラ家族の寝室

かぞくのブリコラージュ~自分たちで暮らしを作る、日常の発明記~かぞくのブリコラージュ~自分たちで暮らしを作る、日常の発明記~

文・写真・題字/中村家


<< チャプター2 はじめに 連載もくじ >>

チャプター2

その3 ブリコラ家族の寝室




 ブリコラで作ったものたちはその後、どうやって使われてきたのか、使われているのか。我が家の現在と共に紹介します。

 もともと築40年近いバブル期に建てられた別荘だった我が家。玄関を入って左手に立派な和室がありました。玄関の作りも現代の家作り的感覚ではなかなかナイだろう空間の使い方となっております(そんな玄関のことは次回紹介予定)
 元別荘ハウスは一部屋一部屋が広くて大きく、そのかわり部屋数は少なく、1階にある部屋はその1で紹介したキッチン、その2で紹介したリビング、そして和室のみでした。あとはこれまたものすごく広い洗面所とお風呂とお手洗いがあります。2階に3部屋あるのですが、いろいろ事情があり引越し当初は1階のみ使っていました。

 必然的に、キッチンとリビングにカテゴライズできない全てのものは、和室に押し込まれることとなりました。
 ベッド、衣類全般、「捨てられないけど日常生活では必要もないものたちが入っている段ボール」たちなどです。





 引っ越して1年は日常生活のメインであるキッチンとリビングの改装に手一杯で、寝室兼クローゼット兼物置の和室は、なんともなげやりな使われ方をしていました。床の間に服が詰め込まれ、畳に直置きされたベッドマットは湿っぽく、フスマをあけると段ボールの山が雪崩を起こす…。
 そんな最悪な空間をなんとかしようと一念発起。「かぞくのブリコラージュ」の連載をはじめる2年ほど前、夫の仕事で大量の板の廃材が出たのをきっかけに、それらの板を床板に、そしてフスマの代わりのスライド式扉に変えてみました。和室内にも廃板で壁をたて、板の奥(床の間などがあるスペース)をクローゼットとして使うことに。
 部屋を作ったのに合わせて家族で使っていたダブルサイズのマットレス2個がちょうど収まるベッドを夫が制作。すっきりさっぱり、晴れて「寝室」と呼べる空間となり、メデタシメデタシ!かと思いきや、この後深刻な問題が発生することになったのでした…。




 部屋を仕切って奥のスペースをクローゼットとして使いはじめたものの奥の部屋は日が入らなくなり、空気も篭り、カビの温床に。
 もともと湿気の多い藤野。服やカバンに大発生するカビたちに、夫ひょーさん発狂寸前。衣替えのたびに、出す服出す服カビ臭いという大きなストレスを抱え過ごすこと2年。またまた意を決した我々は、「かぞくのブリコラージュ その16バンブークローゼット」でクローゼット問題に対峙したのでした(ぜひ読んでみてもらえたら!)

 さて、あれから1年半。




 今のところ、家族全員分の服と帽子やカバンなどの小物類、衣替えした服がこのクローゼットに収まっています。切り出した竹でつくったポールは、細さが太いところもあるのでちゃんとハンガーがひっかからないところがあるのが多少気になるところですが、主に太いところにわたしの服をかけることで凌いでいます。今にも落ちるか?という感じでかかっているハンガー。でも時々しか落ちないので問題ありません。わたしは細かいことは気にしない性質です。





 基本、わたしと夫と娘の服は、セーターであってもズボンであっても全部ハンガーにかける。息子の服は一着一着がちいさいので、畳んで棚にしまいます。






 靴下やカバンは金物屋さんで購入した竹籠がお役立ち。

 衣替えした服たちは密封できる収納コンテナに、木製防虫材のカンフルブロックと一緒に仕舞って、バンブークローゼットの棚に置けるので、すっきり。






風通しのよくなったバンブークローゼットのおかげで、衣替えの際に、カビ臭に襲われ鼻水クシャミが止まらなくなるという事態に見舞われることもなくなりました。

これからしたいこと
 和室問題メデタシメデタシ!と言いたいのですが、実は仕切った壁の奥は未だカオスが広がっています。
 クローゼットにするために押し入れを空けた際に出された、「捨てられないけど日常生活では必要のないものたちが入っている段ボール」の山や、クリスマス飾りやお雛様など季節のものたち、若き日の写真アルバムなどなどなど……ぎゅうぎゅうに詰め込まれ、いつ雪崩がおきるかもわからない。そして相変わらず日当たり悪く、空気も通らず、随分縮小されたとはいえ、未だ我が家の魔境健在なのです……。三度意を決し、魔境と対峙できたら、晴れて、心から寝室は気持ちいい場所になるはず。対峙するエネルギーを現在ためているところです。



<< チャプター2 はじめに 連載もくじ >>

中村俵太(ひょうた(父/夫)

「HYOTA」として空間デザインを生業にしつつ、中村家のあらゆる『家族』活動のディレクター的立ち位置も。決断力と実行力はあるけど計画や段取りは非常に苦手。人見知り。日本生まれ日本育ちなのに日本語がおかしい。極めて楽天的でポジティブ。家族愛は強いがピントがいつもややずれがち。

中村暁野(あきの(母/妻)

家族や生活をテーマに執筆活動を行なっている。理想を追って突っ走りがち。でもその突っ走りによって人生動かしてきたという自負もあるので、引き続き突っ走る気まんまん。ブリコラ生活の果て2021年夏「家族と一年商店」がオープンし小商店主という予想だにしていなかった人生展開もスタート中。

中村花種(かたね(娘)

繊細で敏感な子ども時代を経て、現在爆発的パワーで家族を圧倒する思春期入り口の11歳。極度の内弁慶だったけれど藤野暮らしの中で壁を越え、自分の世界を築こうと成長中。現在両親のやることなすこと、言うことスベテが気に入らない反抗期真っ只中。

中村樹根(じゅね(息子)

マイペースでごきげんな5歳児。人類みな友達的オープンマインド。恐竜がだいすきで1日の半分、心は恐竜の世界へ。甘いもの大好き。虫歯になりがち。姉とはトムとジェリーのような関係。

バター(うさぎ)

花種さんの膝に飛び乗るすきを常に伺っていた、アメリカンファジーロップのオス。2022年の3月、天国へ...。花種さんの部屋の前の、ユスラウメの木の下に眠っている。



家族カレンダー

中村暁野
定価 1760円(本体価格1600円)
ひとつの家族を自身の家族で取材して制作する雑誌『家族と一年誌 家族』編集長である著者による初めての自著。ブログに綴った5年の間には、たくさんの幸せな日とそうでない日とがありました。「家族」を通して自分と社会に向き合い続けた実験の記録。一日々々のかけがえのなさを感じられる一冊です。


アノニマ・スタジオWeb連載TOP > かぞくのブリコラージュ~自分たちで暮らしを作る、日常の発明記~ もくじ > チャプター2 その2 ブリコラ家族のリビング