アノニマ・スタジオ

貯蔵庫

2004年9月から12月のトップページの記録です。
イベント情報などは過去のものです。

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みなさま、一年ありがとうございました。
2003年冬にスタートしたアノニマ・スタジオですが、
どうにか一年を無事に過ごすことが出来ました。
なにせはじめてのことばかりの一年目、
なにからなにまで手探りでした。
著者のみなさん、週末イベントでお世話になったみなさん、
読者のみなさん、イベントに参加いただいたみなさん(定員が少なくてもうしわけありません)、
デザインや写真、イラスト、編集、校正など制作面でお世話になったみなさん、
印刷所、製本所、紙屋さんのみなさん、
取次店のみなさん、書店のみなさん、
雑貨店やカフェなど本を扱ってくださったみなさん、
ほんとうにありがとうございました。
来年もごとごといろんなところにぶつかりながら、
運営していくと思います。
スマートとは言い難いスタイルですが、
来年もアノニマ・スタジオをどうぞよろしくお願いいたします。


12月30日
カフェ・アノニマのこと。

アノニマ・スタジオのカフェ部門ができました!?
cafeanonima  
実はこのお店、私たちの元同僚が夫妻でオープンしたカフェ。
アノニマ・スタジオの「アノニマ」ということばを気に入って、
お店の名前にしてくれました。
京都の中心部から少し離れたところにありますが、とても居心地のよいカフェです。
cafeanonima
オーダーを受けてから一杯ずつ入れるこだわりのコーヒー、日替わりの手作りデザート。
もちろんお食事も楽しめます。
(おすすめは、じっくり煮込んだ角煮が絶品のアノニマ丼!)
don
京都にお住まいの方、年末年始で帰省される方、
旅行に行かれる方、ぜひ立ち寄ってみてください。
年末年始は一月三日まで休まず営業しているそうです。

今年最後の更新は、友人夫妻のカフェのご案内でした。
来年は、取材や出張先で出会ったお店や
アノニマ・スタジオの商品をお取り扱いいただいている
ショップのみなさんのことも少しずつ(ほんとに、少しずつ)
このホームページ上でご紹介したいと思います。

ではみなさん、一年間ほんとうにありがとうございました。
すこやかに、よいお年をお迎えください。


12月18日
すり鉢教室の日。

まずお詫びです。
このところ、更新のペースが落ちています。
この10日ばかり、北から南から、いろいろな場所をめぐっていました。
その間のことは、まとめてご報告します。
(これは、もしかすると冬休みの宿題か?)

今日は週末イベントの「すり鉢教室」のご報告を。
高山なおみさんの「すり鉢教室」今日は二回目。
メニューは
「沖縄風豚の黒ごま焼き」
「焼ききのこの炊き込みご飯」
「大根と白菜と芹のサラダ」
「柚子みそ」(これはデモンストレーション)
でした。
すり鉢を使って作ったのは「豚の黒ごま焼き」。

「焼ききのこの炊き込みご飯」は、高山さんとの間ではひそかに
「松茸いらず」と呼んでいるメニューです。
しいたけ、マイタケなどを焼き網で焼き目を付けて
ナンプラー、しょうゆ、ごま油などと炊き込むだけのご飯ですが、
なんともいえない香ばしさです。だまされたと思ってぜひお試しください。
「豚の黒ごま焼き 」は、まず豚肉の筋切りから。
すり鉢では、にんにく、黒ごま、黒砂糖などでごりごりとペーストを作ります。
隠し味にいれた泡盛が、ほんの少しなのに沖縄を主張していい感じです。

ペーストができたら、豚肉に揉み込みます。
皆さんはていねいに豚肉に塗り込むようにペーストをのせていましたが、
高山さんはちがいます。
「豚肉ですり鉢の中を掃除するようにね」
すり鉢をのぞき込むと、確かに豚をむんずとつかんで
中のごまペーストをからめ取るように揉み込んでいます。
そのころにはちょうど炊き込みご飯もいい匂いで炊きあがり、
あとは豚をフライパンで焼いて出来上がり。試食です。

今日はそのあとに、スペシャルゲストが来てくださいました。
波照間島の「パナヌファ」のおふたりです。
国分寺に新しくできた「トネリコ」、国立の「日々(ニチニチ)」のライブにきていて
今日は特別に高山さんがすり鉢教室に呼んでくださったのでした。
右が順さん、左が良美ちゃん。
「ちんぬくじゅうしい」「島々清しゃ」など4曲も歌ってくれました。
突然の登場でしたが、おふたりはすっとその場になじんで、
みんなで 作ったお料理の匂いも味も、全部ひっくるめて歌の中に取りこんでしまう。
大きな歌でした。
明日19日は「トネリコ」で20時からライブがあります。
お近くの方は、ぜひ。(すでにけっこうなお客さんらしいけれど)


12月08日
冬の日の夕暮れ。

041208

午後4時の風景です 。
この時期になると、地球の軸のことをリアルに感じます。
星野道夫さんが繰り返し描いていた
アラスカの冬と夏の太陽のことを、考えてみます。
アノニマ・スタジオは今週後半は出張キャンペーン。
関西方面、九州方面に出かける予定です。
更新も週明けまでおやすみです。
1月の「瀬戸口しおりさんの週末食堂」は、
12月20日(月)の正午から予約受付を開始する予定です。

12月05日
中川ワニさん、珈琲漫談の日。

昨日、今日の二日間、週末イベントでは中川ワニさんの「珈琲漫談」を開催しました。
4日はどんよりしたお天気でしたが、今日はうってかわっての青空。
というか、暑い!

珈琲漫談は1セットが2時間半。はじめる前はちょっと長いかな……と思っていましたが、
終わってみればあっという間でした。
ワニさんがじっくりいれたコーヒーと美味しいお菓子
(ちなみにスペシャルのお菓子は、4日が内田真美さん、5日が村上みゆきさんでした)
をいただいたあとは、漫談タイムです。

コーヒーのこと、ジャズのこと、旅のこと、そこで出会った人のこと、
食べもののこと、そしてなぜか牛(お肉ですね)のこと。
話題は次々と切れ目なく続きます。
隣の部屋にこもって作業をしていても、
ついつい耳がワニさんの話に夢中になってしまいます。
ワニさん、今度はコーヒー教室もやりたいですね。


12月03日
銀杏並木の日。

午前中、市ヶ谷まで行く用事があったので、帰り道はちょっと寄り道をして
絵画館前の銀杏並木に行ってきました。

舗道はあたり一面のきいろ。
そのきいろを見たい人たちがたくさん来ていました。
けっしてにぎやかな訳ではありませんが、
みんながそのきいろに包まれて、どこかはなやいでみえて、
何かに似ているなあ、と歩きながら考えました。
あ、お祭りだ。このちょっとはなやいだ人たちが
さんざめきながら歩いていく様子は、
お祭りに向かう人たちの列のようです。
知らない人同士だけれど、みんな同じことを楽しみにして歩いている。

お昼ごはんは、青山通りをわたった路上で売っていたキッシュ。
フランス人のシェフが作ったキッシュは、とても濃厚でおいしかったです。

11月30日
いろいろ節目のいちにち。

今日は、2週間の日本ツアーを終えたボロットさんを成田空港までお見送りに。
日本語ができないボロットさんと、ロシア語もアルタイ語もできないこちら。
きちんとコミュニケーションをとれているとは言いがたいけれど、
ボロットさんとすごす時間は確かに何かをやり取りしている実感があって、
充実していました。
東京に戻り、以前から宿題にしていたことを片づけました。
なんと1年間もずっとやり取りを続けていたのですが、
今日、思い切って解決までこぎ着けました。
さて、と思っているうちに時計はまわってもう12月。
心機一転、今年一年の締めくくりに向けて、静かに正確に歩をすすめようと思います。

11月27日
しおりさんの週末食堂の日。

瀬戸口しおりさんの「週末食堂」第二回は「ロシアの田舎」がテーマ。
今回もたくさんのお客さまにお越しいただきました。

11月26日
しおりさん、仕込みの日。

明日は瀬戸口しおりさんの「週末食堂」。
今日はお昼前からしおりさんと仲間たち、通称「クウクウズ」がアノニマに入って、
明日のための仕込みをしていました。
事務所中に、いい匂いが立ちこめていて、正直いってこれは「地獄の苦しみ」です。
ああ、おなかがすいた。どうにかしてくれー! と思っていたら、
しおりさんが「試食に」とクッキーを持ってきてくださいました。
ぼくがいただいたものは「フェンネル入り」。おいしかったです。
明日のテーマは「ロシアの田舎」。
参加をご予定のみなさん、しっかりおなかをすかせてお越し下さい。

11月24日
京都の日。

打ち合わせのために京都へ。
一日早く入れればボロットさんの京都公演に参加できたのですが、
残念。しかたありません。
紅葉の京都は、どこに行っても人ばかり。
集合は百万遍の進々堂さん。
到着すると、店の前で馬場さんが手を振っています。
残念ながら、今日はお休み。
そこに武田さんがタクシーで到着。そのままタクシーに乗り込んで、
銀閣寺近くのカフェに移動しました。そのまま打ち合わせを数時間。
その後、 意見交換のような、打ち合わせのような、雑談のような時間をすごしながら、
人から逃げるように歩き回り、いつしか小さな旅館についていました。
この雑談のような時間が、じつはとても大切な時間なのですよね。
このあいだに、お互いの「間合い」や「スタンス」を呼吸していきます。
離れの縁側に腰掛けてお抹茶をいただきながら何気なく空を見上げると、
思いがけないほどの早さで雲が流れていきます。
空の高いところは、かなり風が強いのでしょう。
飛行機雲の輪郭がぼやけて、まるで龍が空を行くようでした。
暗くなってきたころ、武田さんは寺町のお寿司屋さんにふらっと立ち寄りました。
「うざくを二人前。それと燗をつけて」
うざくとは、鰻ときゅうりの短冊を巻いたもの。
ぬる燗が、冷え切った胃袋を温めてくれます。
ああ、大人でよかった、と思う瞬間でした。

11月22日
わかしまよう子さん
『はなのほん』 見本の日。
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『はなのほん』の見本が出来ました。
このあいだ印刷所に印刷立ち会いにいき、仕上がりに不安はなかったのですが、
きちんと仕上がっていてひと安心です。
この時期取り次ぎ(本の問屋さん)が結構混んでいて、
本屋さんの店頭に並びはじめるのは月末30日くらいからになりそうです。
ご自分を「花関係の人」と名乗るかわしまよう子さん、
はじめての書籍です。
かわしまさん独特の草花とのスタンスは、
きっと共感いただけると思います。

11月18〜19日
ボロットさん
東京公演の日。
いよいよ本番でした。
ずいぶん長い期間準備してきたように思いますが、
はじまってしまうとあっという間。
二日ともほぼ満席! ほんとうにたくさんの方々にお越しいただけました。
聴いていただけたみなさん、ありがとうございました。
普段接する機会がないような「音楽」なので、
とまどわれた人も多かったと思うのですが、
もしも何かを感じていただけたとしたら、主催者冥利につきます。
こういうイベントは何でもそうですが、
終わると充実感とも喪失感ともつかないせつない感覚が残りますね。
とはいえ、23日は京都くろ谷永運院にて京都公演
28日には読谷村座喜味城にて沖縄公演があります。
京都はソールドアウトですが、沖縄はまだ大丈夫そうです。
京都では同じ日に、昨年の「ホーメイコンテスト」の優勝者
山川冬樹さんが出演するライブもあります。
こちらの場所は相国寺。23日は京都のお寺に倍音がこだまするようですね。

11月16日
ボロットさん
と六本木ヒルズの日。
アルタイの歌手ボロット・バイルシェフさんが昨日15日、成田に着きました。
4時間も遅れての着陸でしたが、久しぶりに会うボロットさんは、
多少のつかれはあるものの、ボロット!でした。
不思議です。1年半も会っていないのに、
あっという間に昔からの友人のように肩をたたき合っていました。
今日はコンサートのプロモーションもかねて六本木の「J-WAVE」でラジオの収録。
クリス智子さんの「BOOM TOWN」
18日の朝9時40分くらいからの放送です。
番組でもボロットさんはナマで歌っています。
ほんとうはもちろんコンサートに来ていただきたいのですが、
ラジオでもその声のすごさは味わっていただけると思います。
そのボロットさんですが、15日月曜から『ほぼ日』でもご紹介しています。
リンクを張っていただいてるのに気づかずに、うっかり更新をさぼってしまいました。
今日は「紙がない!」という切実な話題を書くつもりでしたが、やめ!
明日はボロットさんのリハーサルです。その模様は『ほぼ日』でレポートする予定です。
こんな中ですが、日常業務もきちん(?)とこなしていますよ。

11月14日
「ささやき、青空」の日。


アノニマ・スタジオ初めての、「音」のイベント、
そして「映像」のイベントの「ささやき、青空」、無事終了しました。
お越しいただいた皆さま、ちょっと窮屈な思いをさせてしまいました。
これ、夏だったらちょっと熱くて厳しかったかもしれませんね。
しかし!
手前味噌ですが、内容は充実していたと思います。
覚さんの朗読、歌も、首藤さんのスライド上映も。
「ささやくような」とはよく使う表現ですが、
ほんとうにささやくような声で「物語」を聞くことって、
実はそんなにないことだと思います。
詩の朗読、いわゆる「ポエトリー・リーディング」でも、
結構お腹に力をいれての朗読が普通です。
今回覚さんは「さかな」という作品をそのささやくような
「ウィスパー・リーディング」で披露してくださいました。
ささやき、は、こちらが聞こうとしなければ
あっという間に空気の中に溶けて散ってしまうような声。
その揮発性の高い声で聞く物語は、 いやがおうにも聞き手の想像力を刺激します。
そして、首藤さんの写真。彼のスライド上映は、
覚さんのささやき朗読以上に、めったにお目にかかれない表現です。
2台のスライドプロジェクターを駆使しして二枚の写真を同時に映写し、
指の微妙な動きでオーバーラップ、フェイドイン、フェイドアウトを表現します。
結果、静止画であるはずの写真が、命を得たように動き出します。
それがすべて「ナマ」の作業で行われるわけですから、
まさに「ライヴ」。同じ表現は二度とありません。
寡黙な朗読と生命を持った静止画。
そのコントラストは、見ていただくしかありません。
と、こういうことは開催前に言え! とよくお叱りを受けます。
今回の手応えに気をよくして、
「ささやき、青空」のような試みはまたやってみたいと思います。
首藤さんの写真は残念ながら見られませんが、
覚さんのはじめてのアルバム『青空1号』は、17日発売です。
渋谷のHMVには15枚も入荷するそうですので、ぜひ聴いてみてください。

11月13日
印刷の日。

昨日、今日の二日間、11月末に発売のかわしまよう子さんの本
『はなのほん』の印刷です。昨日は雨でしたが、今日は気持ちのいいお天気。
この天気の差が、いい影響を与えてくれることを祈りつつ、印刷所に向かいます。
明日の「ささやき、青空」は、まだお席に余裕があります。
詩の朗読、というとマニアックな印象もあるかもしれませんが、
覚さんの作品は「物語」があって、ぐんぐんその世界にひきこまれるものです。
はじめての方も、ぜひお越し下さい。損はさせません!
瀬戸口しおりさんの「週末食堂」も、まだ大丈夫です。
あきらめずに、ご応募下さい。
秋の終わりにふさわしい、ロシアの味です。

11月10日
ボロット・バイルシェフさんの歌を聴いてください。

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(C)Rinko Kawauchi

このコンサートの主人公ボロット・バイルシェフさんは
南シベリア・アルタイ共和国の歌手です。
2001年の秋、巻上公一さんの招きで日本に来ていた
ボロットさんのコンサートを聴く機会がありました。
誘ってくださったのは作家の田口ランディさん。
訳も分からず聴きに行ったわれわれでしたが、
ステージにボロットさんが登場した瞬間に圧倒されてしまいました。
歌にではなく(まだ歌っていません)そのたたずまいに、です。
ボロットさんはその時40歳。長老という歳ではありません。
しかし、魂に年齢があるとしたら、彼はあきらかに成熟した大人でした。
ぼくはそれまでも、その後も、ボロットさんのような
「魂の大人」にあったことはありません。
トプショールという二弦の楽器を胸に抱えステージにたったボロットさんは、
アルタイの風を身にまとっていました。
そしてその風をマントにはらませて、歌い出しました。
圧倒されました。それはどこまでも低い地響きのような声と、
虹の輝きに音をあたえたらこんなだろうと思えるような
きらめく倍音が交錯する、はじめて聴く世界でした。
声と口琴と呼ばれる小さな楽器(言葉で書けば「ビヨ〜ンビヨ〜ン」と音がします)、
トプショール、それらを縦横に操りながら、
ボロットさんはめくるめくような音の世界を作り出します。
匂いや、情景や記憶までもが目の前に広がります。
聴いているだけで、からだごとどこか遠くに連れ去られるような、不思議な体験でした。
コンサートが終わったあと、
観客たちは長い夢を見たようあとのような
ここち良い疲れと脳の底がしびれるような快感の余韻に酔いながら
会場をあとにしました。
artai
(C)Rinko Kawauchi
翌2002年夏、ランディさんと私は写真家の川内倫子さんとともに、
巻上さんに導かれて遠くアルタイの地にたどり着いたのでした。
あまりに広大なシベリアの大地を旅し、アルタイの人々に触れたその旅は、
ランディさん、川内さん、私の中に、それぞれに確実に何かの種を落としました。

ボロット・バイルシェフさんの日本公演は今回で4回目、昨年に引き続き二回目の、
巻上公一+田口ランディ共同プロデュースの招聘公演です。
私は「アルタイ文化研究会」として、運営面を担当しています。
昨年の会場は「文京シビックホール」という大きな規模のホールでの公演でしたが、
お客様から「生でボロットの歌を聴きたい」との声を多数いただき、
今回は飯田橋のトッパンホールを会場に選びました。
このホールは座席数400人の小さなホールで、基本的にクラシック専用です。
特殊な構造を持ち
(なんと、ステージと客席が建物の中に吊り下げられているのだそうです)、
地下鉄や高速道路など近隣の騒音や振動を限りなくゼロに近づけ、
演奏者の息づかいまでも観客に伝えることに成功したホールです。
ボロットさんのめくるめく倍音の世界、口琴のささやき、
トプショールの弦のこすれまでを、じっくりとお楽しみいただけます。

確かにボロットさんの音楽は、なじみやすいものではないかもしれません。
しかし、めったに体験できない音楽でもあります。
エキゾチックなだけではない、何かの核心に触れるような音楽だと思います。
東洋と西洋の交差する国、アルタイの音楽は、
「はじめて聴いた。でも、この感覚は知っている」と思わせられるものです。
どうぞ、ボロット・バイルシェフさんの音楽を聴きに来てください。

大地を揺るがし、大気を充たす 
アルタイの喉歌[カイ]宇宙の命脈  
ボロット・バイルシェフ in Japan 2004

<東京公演>
2004年11月18日(木)19日(金) 開場18:30 開演19:00
会場 トッパンホール
出演  ボロット・バイルシェフ(カイ、トプシュール、ショール、口琴)
    巻上公一(ヴォイス、口琴、テルミン)
    佐藤正治(パーカッション、ヴォイス)
    田口ランディ(トーク)
    菅靖彦(トーク トランスパーソナル学会副会長 
         アルタイのシャーマン世界を描いた『ベロボディアの輪』訳者)
東京公演のほか、富士吉田、京都、沖縄をまわるツアーです。
詳しくはこちらのサイトを。

11月7日
冬じたく展』終了しました!

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二日間でとてもたくさんのお客様にお越しいただいた
「冬じたく展」ですが、ただいま終了いたしました。
みなさま、ありがとうございました。
布ものあり、ニットあり、ビーズあり、クラフトあり、
焼き菓子あり、ベーグルあり、発明品ありで、
どうなることやら、と多少の不安をいだいてのイベントでしたが、
「冬じたく」というキーワードで、どうにかつながったみたいです。
041107yakiimo「モバイル焚き火」で焼き芋実演中です。
アノニマ・スタジオの外まで、いい匂いがただよっていました。

その一方で、別働隊は日中、高山なおみさんの本の撮影でした。
041107yuzu
「ゆずみそ」を作ったり、「ゆずピール」を煮詰めたり、
大鍋では豚バラが茹でられて、 台所はいろんないい匂いで満たされています。
このいい匂いの洪水は、食卓では味わえない、料理をつくる人の特権だなあ、と
あらためて思いました。
明日はいよいよこの本の最後の撮影です。
今日は「冬じたく展」の打ち上げは早めに切り上げて、明日にそなえます。
(の予定)

11月6日
冬じたく展』やってます!

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本日、明日の二日間、アノニマ・スタジオで
「冬じたく展」開催中です。
12時にスタートしましたが、はやくもルームシューズ、
ポットコゼー、焼き菓子などが人気です。
ほかにも冬を楽しくするもの、冬を感じさせるものがたくさん。
スイセイさんこと落合郁雄工作所の「モバイル焚き火」は
現在焼き芋中!
このあと13時からは内田真美さんの「お菓子バール」、
17時からは「モバイル焚き火」でごはんを炊きます。
ぜひお越し下さい!

11月5日
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4日5日は、高山なおみさんの本の撮影でした。
今年の冬のおわりから旬の野菜を追いかけてきましたが、撮影もいよいよ大詰めです。
4日はじゃがいもの料理、5日は椎茸の料理など。
高山さんのお料理は、どっしりと安心感があって、おいしい。
いつもの風景ですが、スタッフも口々に「おいしい!」を連発しながら
うはうはしながらの撮影です。

11月4日

11月はイベントが目白押しです。
6日7日の「冬じたく展」、
14日の「ささやき、青空」、
27日の「瀬戸口しおりさんの 週末食堂」。
「冬じたく展」は出品作品がぞくぞく到着。
ほとんどのみなさんがいわゆる素人ですが、
もの作りへの情熱やアイデアはすごい!です。
と書きながら、今日は高山なおみさんの本の撮影です。
遅刻遅刻。あわてて行ってきます。

11月3日
先日サン=テグジュペリのことを書きました。
それに連鎖して、須賀敦子さんの本のことを思い出しました。
041102suga
その本『遠い朝の本たち』(筑摩書房)で須賀さんは
学生のころの『星の王子さま』との出会いを描いています。
中でも特に印象深いのは「アプリヴォアゼ」というフランス語をめぐる一節です。
フランス語の辞書もまだ不十分だった時代、その単語の意味を生徒たちに伝えようと
フランス人の女性教師は身振り手振りをまじえて講義します。
やっと生徒たちがたどり着いたのは「なつかせる」「飼い慣らす」という意味。
『星の王子さま』の中では、
キツネがともだちを探している王子さまにむかって こう言うのです。
「いきなりはむりだよ。だんだんと相手になついたときに、
私たちは相手にとってかけがえのないものになるんだよ」。
同じ本のひとつ前の文章は、女性飛行家アン・リンドバーグについてのものです。
飛行中に日本に不時着した彼女は、数ヶ月の日本滞在ののち、船でアメリカへと帰ります。
その船が横浜港を出るとき、
見送りに来たたくさんのに日本人が口々に叫ぶ言葉に彼女は気がつきます。
「さようなら」
「さようなら、とこの国の人々が別れにさいして口にのぼらせる言葉は、
もともと「そうならねばならぬのなら」という意味だとそのとき私は教えられた。
「そうならねばならぬのなら」。なんという美しいあきらめの表現だろう」
この文章を読んだとき須賀さんは 「読むまえと読んだあとでは、
私の中で化学変化をおこしてしまうような」感慨を得たと書いています。
そしてその感慨は須賀さんの文章を読んでいる読者のものにもなるでしょう。
「本を読む」ことの何重にも積みかさなる、めまいのような快感。
あ、もうこんな時間だ。4:21a.m.

11月2日
今夜は事務所で覚和歌子さん首藤幹夫さんと打ち合わせをしていました。
覚さんは 『千と千尋の神隠し』のテーマ曲「いつも何度でも」の作詞者です。詩を書き歌詞も書き、歌もうたいます。首藤さんは写真家で、覚さんのエッセイ集『青天白日』はおふたりのコラボレーションです。じつは11月14日(日)に、覚さんの初めてのアルバム『青空1号』の発売を記念して覚さんと首藤さんの「詩の朗読+ライヴ+スライド上映の会」を、ひそかに、急きょ行うことになり、そのための打ち合わせと音響チェックでした。
限定25名さまの、シークレットライヴです。詳しいことは、もうすぐ決まります。
覚さんの声、首藤さんの写真、ぜひ体験してください。
詩の朗読って、すごいですよ。読むのとは全然ちがう言葉との出会いです。

10月31日
フウチ』創刊記念イベント at サザンアクセンツ


茅ヶ崎に「サザンアクセンツ」という日当たりと風通しのよい雑貨店があります。
ご存知の方も多いと思いますが、インテリアディレクターとしても活躍する
上野朝子さんのお店です。『フウチ』ではアメリカンフォークアートについての
エッセイを連載いただいています。
こちらで10月28日から31日まで『フウチ』創刊記念イベントを開いていただきました。
『フウチ』に連載を持つ方々が日替わりでお教室を開くこのイベント、 最終日の今日は、
写真家の森隆志さんとインテリア・スタイリストの小澤典代さんのお教室のふたつ。

昼過ぎにはじまった森さんの「写真教室」。
いつも使っているカメラとそのカメラで撮った写真を持参しての授業。
「どうしても画面が白っぽくなってしまうんです」
「ニュアンスのある絵をとるにはどうしたらいいんですか」など
具体的な質問に穏やかに答えていく森さん。
最後は、お茶とお菓子でゆっくりブレイク。

続いては、小澤さんの「インテリアコーディネートレッスン」。
当初は一講座の予定でしたが、
参加希望者多数のため二講座開かれることになりました。
「クローゼットからはみ出した洋服は捨てる。
自分が管理しきれるものだけを持つ、身の丈にあった生活をして下さい。」
「収納やスタイリングに魔法はないですからね〜。
捨てなきゃものはたまるし、掃除しなければホコリはたまります。
スタイリングは、まずどんな暮らし方をしたいのかを考えること」
ついつい買いすぎ、持ちすぎてしまう毎日を反省。

レクチャーの次は、小澤さんによるデモンストレーション。
お店の中から、雑貨たちをささっと選んで、
あっというまにすてきにディスプレイしていく小澤さん。

最後はやっぱりお茶とお菓子でティータイム。
「何でも質問していいのよ〜。自分の部屋の収納をどうしたらいいのかとか。
あ、インテリアと関係ない人生の悩みでもいいわよ〜」
あったかい小澤さんの人柄に場はなごみ、
講座終了の時間になってもみなさん話はつきない様子でした。

10月30日

『星の王子さま』の作者、サン=テグジュペリは飛行機のパイロットでした。
ファンタジーの傑作を書く一方で、空の上から人間の暮らしの意味と哲学を描き、
リアルタイムの読者たちにも支持されていたのです。
第二次世界大戦のころ、 サン=テグジュペリの名前は飛行機乗りにあこがれる
少年たちにとって特別の響きを持っていたのでした。
そのことを教えてくれたのは『星の王子さま最後の飛行』(竹書房)という本です。
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この本の主人公はドイツ人で、当時敵対していたフランス人の作家でありパイロットの
サン=テグジュペリを尊敬し、念願の空軍パイロットになりました。
しかし皮肉なことに、彼が所属する部隊に
「南フランスを飛ぶサン=テグジュペリを撃墜せよ」
という指令が下ります。
国と国との戦いのなかで、敵対しながらも互いを尊敬しあうこと。
戦争という極限状態の中で人間の尊厳を描いた文学の傑作は数多くありますが、
この「ノンフィクション」は「サン=テグジュペリ」という魂の美しさを描いた作家を軸に
よりコントラスト鮮やかにその葛藤を描き出します。
「憎しみの連鎖」を解き放つために必要なこと。
生死を分かつその瞬間までも、ユーモアを持ち続けること。
そんなことを考えています。
読むたびに、涙がとまらなくなる一冊です。
電車の中で、何度はなみずを垂らしながら読んだことか。

田口ランディさんから新刊『オカルト』(新潮社)をお送りいただきました。

この本は以前勤めていた会社で担当したものの文庫化です。
今回は新たに書き下ろしも加わっているそうです。
週末の楽しみができました。
ランディさんとは『聖地巡礼』という本の取材で一年間毎月どこかに旅をして、
そのご縁でアルタイにボロットさんを訪ね、
その旅のなかでアノニマ・スタジオのコンセプトを得て帰ってきました。
アノニマの活動とも、じつは遠いところでぐるっとリンクしているかもしれません。

10月29日

「ともだち」のことを考えています。
ぼくにとって、「ともだち」ってなんだろう。
以前ある人に言われたことがあります。
「あなた、ともだち少ないでしょう!」
「え〜、そんなこと……」と言いかけたぼくに、その人はぴしゃりといいました。
「仕事の関係や学校で出会った人はともだちとは言わないの。
それでもともだちと呼べる人が、何人いる?」
それ以来、 自分にとって「ともだち」と呼べる人はごく少なくなってしまいました。
でも同時に、自分の中で「ともだち」の重さがずっしりと増したように思います。

佐藤さとるさんという作家の作品は、ほぼ全部読んでいます。
代表作の『コロボックル』シリーズはもちろん大好きですが、
中でも『ジュンとひみつのともだち』は、何度も何度も読んでいる大好きなお話です。
今日、数少ないともだちのひとりである写真家の川内倫子さんに誘われて、
佐藤さとる作品の挿絵を多く手がける村上勉さんの原画を見に行きました。
佐藤さとるさんと村上勉さんのコンビによるたくさんのお話は、
自分の価値観を形作る「根っこ」です。
それは「影響を受けた」なんていう言葉では表しきれないほどのものです。
このことを話しだしたら、きっとひと晩では終わりません。
『コロボックル』シリーズをはじめ、村上さんの繊細なペン画や水彩を
たくさん見せていただきました。
子どものころから本の中でくり返し親しんだ絵が、絵の「ほんもの」が目の前にある。
くらくらしました。
印刷物とはまたちがった生々しい世界でした。
『ジュンとひみつのともだち』の原画もありました。
その気持ちをなんと呼べばいいのでしょうか。
鼻の奥に懐かしい匂いが満ちて、一度にいろいろなことが思い出されます。
その思い出が自分の体験なのかジュンの体験なのか、区別がつかなくなりました。
なつかしいともだちにはじめて会ったような、そんな気持ちでした。

「ともだちと呼べる人、何人いる?」
そのいじわるな質問を投げかけたひとは、2年前になくなりました。
ほんとうに突然のことでした。もちろん「さよなら」など言えませんでした。
「あなたをともだちだと思っています」というひとことも、
永遠に言えないままです。
生きていること。
肉体を持っている間にしかできないこと。

10月28日
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朝、歩きながら吸う空気がぐっと冷たくなりました。
深呼吸をしながら歩いていると、すっと背筋が伸びて、
どこまでも歩いていけそうな気持ちになります。
通勤の途中、アノニマ・スタジオのすぐ近くに、
カリンの実がたわわに実っているのを見つけました。

10月27日

新潟の被災者の方々のことを考えています。
台風の被害を受けた方々のことを思います。
日に日に寒くなります。
どうか、どうか、一日も早い復旧がかないますように。
人間はほんとうに無力で、地表の上でささやかな営みを繰り返しています。
暮らしとは、そのなんでもない繰り返しそのもの。
被災者のおばあちゃんがテレビのインタビューに答えた言葉が胸にせまります。
「……今までどおりに暮らしたい……」
イベントも事件も何もない、毎日の暮らしの重さ。
自分の祈りがなんの力にもならないことを知りながら、
しかし思わずにはいられません。
一日も早く復旧がかないますように。


10月26日

昨日は栃木県の益子にBさんを訪ねました。
東京よりも少し空気が冷たく、低山の木々の葉は少し色づきはじめていました。
Bさんとの対話はいつも示唆に富んでいます。刺激的、というよりは内省的。
お話を伺いながら、いつしか「自分だったらどうするだろう?」と考えはじめています。
そして、呼吸が深くなっている。
窓の外に目をやると、きれいな蜘蛛の巣が秋の陽を浴びて光っていました。
夕闇が迫るころ、懇意にされている農家にご案内いただきました。
自分の畑を案内下さるYさんと、その言葉にうなずきながら並んで歩くBさん。
ふたりともお互いを尊重しあっている様子がすがすがしく、
ずっとこの人たちと話していたい、と思いました。
仕事小屋のはしには大谷石で切られたいろりがあり、
薪がたかれ、いつの間にかお酒をいただいていました。
まだ泥のついたネギをそのまま火にくべ、いただきました。
あまい、あまいネギでした。
「そろそろ……」と小屋を出ると、山の端に満月には少し満たない月がこうこうと光り、
道を照らしています。
どこからか、落ち葉を燃やす匂いがして、自分にも煙のいい匂いが移っていました。

10月23日
週末食堂の日

瀬戸口しおりさんの週末食堂を開きました。
お越し下さったみなさん、ありがとうございました。
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12時15分。ムラサキシキブが飾られた器はクマガイノゾミさんのもの。
もうお客様が表でお待ちです。

メニューは、

【コース】
ベトナム生春巻き マンゴーチリソース&カラメルナヌプラ
ベトナム風 豚の角煮
秋の里芋コロッケ
  ごぼう煮
  きのこマリネ
  青いパパイヤの春巻き
  蒸し野菜の豆腐ソース キャベツ、さつまいも
  ごま豆腐 菊花ソースがけ
ごはん、味噌汁(高田牧子さん自家製味噌)
栗の渋皮煮

【デザート】
クウクウクッキー(きなこ、緑茶、プレーン)
カラメルバターケーキ
黒米ショコラしるこ

写真は里芋コロッケをもくもくと揚げるしおりさん。
サポートしていただいたみさなんは、みんな元「KuuKuu」のスタッフ。
目くばせで仕事がどんどん進んでいくさまは、まるで無駄がなくて、
まるでひとつながりの布の模様のようでした。

10月20日

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台風の日。
ひどい風雨の中、打ち合わせにいらした方から、おみやげ三昧。
「お一人さま栗ようかん」と「ワニコーヒー」。なんてゼイタクなんでしょう。
栗ようかんは「台風夜なべ」のともに、今いただきました。
血糖値、上げさせていただきます。
「ワニコーヒー」は、次に打ち合わせに見えた方が
「これが噂の……」と興味津々のご様子だったので、さっそくみんなで。
スタジオ内がいい香りでいっぱいになりました。
外は雨。
まだ電灯をつけない薄暗くなった部屋、
コーヒーのいい匂いがして、窓は湯気でくもっています。
こういう湿度の変化も、秋の楽しみですよね。
ごちそうさまでした。

アノニマのお昼ごはんは、16日の「すり鉢教室」で作った
「モンゴルだれ」を使ったパスタ。
これが、炒った干しエビの香りとプリックチーファ(とうがらし)とトマトの酸味と
ナンプラーのコクが、ああ、とにかくおいしい。
みなさんもぜひお試し下さい。
あんまりおいしすぎて、スタッフ全員食べるのに夢中。
写真を撮ることなど、だれも思いつきませんでした。
ゴメンナサイ。

「すり鉢教室」の模様も、ちょっと紹介しました。
このすぐ下です。ご覧下さい。

10月16日
すり鉢教室の日

お天気はいまひとつはっきりしませんでしたが、「すり鉢教室」の日です。
高山さんは生徒さんたちよりひとあし早くアノニマ入りして、
アシスタントのヒラリンさんと仕込みをしています。
すでになごんだ空気がスタジオに流れています。
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トマトは、「モンゴルだれ」に使います。ひとり一個。
12時30分、生徒さんたちが集まりはじめました。
こころなし、みなさんちょっと緊張している様子です。
そしてすり鉢教室のはじまり。
まずは「ぎょうざの皮」作り。
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ぎょうざを包んで休ませている間に、
いよいよすり鉢を使った「モンゴルだれ」作り。
まずは黒こしょうからつぶしはじめます。
とたんにスタジオ内にコツコツという音とこしょうのいい匂いが広がりました。
次々に材料を入れて、すりつぶします。
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こんなところでも、ゴツゴツ。
奥のコンロでは、プリックチーファとトマトが焼き網で焼かれています。
仕上げはレモンを絞ります。
指を使って、たっぷり、最後のひとしずくまで残さずに。
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「モンゴルだれ」できあがりはこんな感じ。
そうこうしているうちにぎょうざもゆであがり、至福の試食タイムです。
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無言……でもこの表情。
完成ぎょうざの写真は、撮るの忘れました。
食べるのに夢中だったわけではありません。
おいしそうだなあ……と見ているうちに、
みなさんあっという間に食べ終わってしまったのでした。
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高山さんのデモンストレーションは、「蕪のゆず風味漬け」。
ほんの数分でできてしまいました。
簡単で、浅漬けでもおいしい! 高山家のお正月の定番だそうです。
すり鉢は高山さん持参のもの。
ずっしりと持ち重りする存在感は、さすがの風格です。
3種類のぎょうざを作る予定でしたが、生徒さんの
「このぎょうざは焼かないんですか?」という質問に
「じゃあ、焼いてみよっか」と応じる高山さん。
急きょ焼きぎょうざも作ることになり、
結局4種類のぎょうざを試食しました。
高山さんもはじめての焼きぎょうざは、
ちょっと焦げ目が付いたけれど、はじめてにしてはまずまずの成功。
約1時間オーバーして、第1回すり鉢教室は無事終了しました。
そして、生徒さんたちはめいめいすり鉢を抱えて、それぞれの家に。
「みなさん知らないでしょうけれど、今、この坂道を上っている人のほとんどが
すり鉢を持っているんですよ!」と、誰にともなく告げたい気持ち。
参加者のみなさん、お疲れさまでした。
あと片付けが終わって軽く乾杯するころ、 空はこんな様子でした。
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10月15日
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07:05 a.m.
ひさしぶりの青空でした。気持ちよくて、寝てられない。
ベッドから空は見えないのに、不思議です。
寝不足だけど背筋がぴんと伸びる早起きの朝。
今日は朝から鎌倉に打ち合わせ+取材の日でした。
佐助という谷戸がちな場所にある家を訪ね、 お話をうかがったり
写真を撮らせていただいたり。
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今日はまさに「鎌倉びより」で、どこに行っても空も木々の葉もピカピカに光っていました。
もうあきらめていた金木犀の香りが道の角角で香っています。
ぼくはこの香りがとても好きで、ずっと匂っていたいと思います。
でもすぐに、そんなことは無理だと気がつく。
秋のはじまりは、乾きはじめた空気と金木犀の香りで、いつもそんなことを思います。
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木でできたもの、布でできたもの。
その家にお住まいの方は、身近にある素材でいろいろな楽しいものを作り出す女性です。
たとえば鎌倉の波打ちぎわで拾った流木を使った人形や
大工仕事で余った端材で作った家など、
形をかえて生まれ変わるものをたくさん生み出してきた人です。
(眠る街と起きた街)
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この女性は、お名前を内藤三重子さんといいます。いまはあまりメディアに登場することも少ない方ですが、少女から大人の女性になる時間をある時代にすごした人なら、雑誌『私の部屋』や、エッセイ集、編み物の本などできっと出会ったことがあるはずです。
今アノニマ・スタジオでは、内藤さんをめぐる本を作っています。お披露目は年末か来年そうそうになりそう。もう少し詳しくお話しできるようになったら、ご報告させていただきます。

明日は高山なおみさんの「すり鉢教室」です。申し込み多数につき、ご参加いただけなかった方、申し訳ありませんでした。アノニマとしては、16人のみなさんが床に座ってすり鉢をする光景を早く見てみたい! 見てみたいと思いませんか? もちろんこのページでもご報告します。

冬じたく展」 は、だいぶ詳細が見えてきました。編み物バッグ、ビーズアクセサリー、帽子、冬ソックス、ポットコゼー、小さな照明などに加え、内田真美さん(初代・週末食堂店長)の「焼きたてお菓子バール」、スイセイさんの「モバイル焚き火」展示+実演など、ライブな展示も出現しそうです。もっと詳細は今しばらく待たれよ!

「毎日新聞」10月15日版で、『日々ごはん1』を歌人の東直子さんがご紹介下さいました。
「そらまめ文庫」というコーナーです。いわく「……気さくで思いやり深い文章……読んでいると、幸せの分子が身体に沁みてくるようである」。こういう言葉は、掛け値なしにうれしいです。ありがとうございます。「自分のことのように」というのは版元の人間としてはおかしな言い方かもしれませんが、自分のことのようにうれしいです。本が自分のようだ、というのはどうか。

10月13日
アノニマ週末イベント「冬じたく展」開催します。

11月6日(土)7日(日)の二日間、アノニマ・スタジオで「冬じたく展」を開催します。
寒くてつらい冬を楽しく過ごすための工夫を持ち寄って、それぞれの「冬の準備」を展示する会です。くわしくは、こちらから。

10月12日
「高橋みどり が考える くらしはじめ
 with 太宰久美子・かわしまよう子」

吉祥寺のギャラリー「feve」さんにて、上記の展示を開催中です。
もうすでにいらっしゃった方も多いと思いますが、ギャラリーというよりは友人の家に招かれたような、「ここ、知っている場所?」と思えるような既視感を感じる、でもとても新鮮な展示です。10月16日(土)まで開催中ですので、まだの方はぜひ行ってみてください。
高橋みどりさんは、お料理の本を数多く手がけるスタイリスト(説明不要ですね)。アノニマ・スタジオは、いま高山なおみさんの本をご一緒いただいています。
かわしまよう子さんは、このホームページでも連載いただいている草花の人(更新、滞っていてスミマセン。近々再開予定です)。今回の展示では、かわしまさんの草花との暮らし方がとてもよくわかります。一瞬通り過ぎてしまうようなさりげない飾り方ですが、そのまえで一回二回深呼吸をしてみると、かわしまさんの草花への愛情がじーんと見えてきます。その前からしばらく動けなくなってしまうようです。
かわしまさんとは『はなのほん』というタイトルの本を準備中です。現在制作まっただ中、11月に発売の予定です。こちらもお楽しみに。
10月7日の項で書いた金木犀ですが、今回の台風ですっかり散ってしまいました。通勤路はいま、ギンナンの実が足の踏み場もないほど落ちています。次々と秋の知らせが届きます。

10月7日

道を歩いていると、いろいろなところから金木犀の香りが流れてきます。
一年のその時期だけ「私はここにいますよ」と伝えてくれる花や草。
「ちちち」と啼いたその声が響くあいだだけ、
「ぼくはここにいるよ」とその存在を私たちに伝える鳥たち。
秋は、そのようなことばかり考えてしまいます。

高山なおみさんの「すり鉢教室」にはほんとうにたくさんのみなさんに
ご応募いただきました(なんと、100名はゆうに超えています)。
ありがとうございました。
みなさんが 書いてくださった高山さんへのメッセージは、
どれもとてもこころがこもっていて、できれば全員にご参加いただきたい!
との思いが強いのですが、会場の関係上、定員をもうけざるを得ません。
残念ですが、しかたありません。

10月6日 
「瀬戸口しおりさんの週末食堂」

「高山なおみさんのすり鉢教室」
受付終了しました。
応募いただきました皆さま、ありがとうございました。
「すり鉢教室」「週末食堂」ともに受付を終了させていただきます。

しおりさんの週末食堂では、陶芸家のクマガイノゾミさんが
今回のためにオリジナルの器を作って下さることになりました。
すり鉢教室は、実は一番楽しみにしているのは高山さんご本人? 
というほどいろいろアイデアがわいていらっしゃる様子です。
どちらもお楽しみに!

10月2日 
大地を揺るがし 大気を充たす アルタイの喉歌[カイ]
「宇宙の命脈 ボロット・バイルシェフ in Japan 2004」

コンサートをご紹介させてください。
これはアノニマ・スタジオの活動ではなく、主宰のたんじが個人的にしている活動なので、ちょっと心苦しいのですが……。
11月18日(木)19日(金)の両日、
アルタイの歌手ボロット・バイルシャフさんの「カイ」のコンサートを開催します。
「アルタイ」「ボロット・バイルシェフ」「カイ」
どれをとっても「???」ですよね。
アルタイは、ロシア・南シベリアの小さな共和国。日本語のルーツを「ウラル・アルタイ語族」とする説もありますが、遺伝子的にも日本人に非常に近いものをもつ民族です。
ボロットさんは、そのアルタイの代表的な歌手。ボロットさんが歌う「英雄叙事詩」を総称して「カイ」と呼びます。
そもそもアルタイには長いこと「文字」がなく、人々はその歴史や哲学、天地のことわりなど様々なことを歌に託して残してきました。しかし一時旧ソ連の政策で、アルタイに限らずシベリアに住む少数民族の古く豊かな文化は、根こそぎ失われる危機に瀕しました。アルタイの「カイ」もその例外ではありませんでした。
ボロットはその一度失われた「カイ」を現代に蘇らせた人物として、アルタイでは国民的尊敬を集める人物です。


彼の歌の特徴は、「倍音唱法」とも「喉歌」とも呼ばれる発声法にあります。
大地を揺るがす超低音が響くその中から、まるで天使がささやいているようなキラキラと輝く高音が降りてくる。まるで虹が音を出すとしたら、宇宙に満ちている音楽があるとしたらこういうものだろう、と思わせる音楽です。これはもう言葉でもお伝えできません。
今回のホールは東京・飯田橋の「トッパン・ホール」さん。定員400名のクラシック専用のホールです。その専用ホールを無理を言って使わせていただけることになりました。大きなホールでは体験できない、微細な音の彩りを体験して下さい。
……なぜボロットさんのコンサートにかかわっているのか、話せばいろいろあるのですが、ながくなるのでまた今度。

10月1日 
アノニマ・スタジオ、事務所開設1周年です。
早いもので、事務所を開設してちょうど1年がたちました。
とはいえ、去年の今頃はまだ机も椅子もなく、コピーもファクスもコンピュータももちろんありませんでした。何もない事務所の窓を開け放ち、目の前の公園のけやきの木を眺めていたのを覚えています。
アノニマ・スタジオの活動を支えて下さった皆さん、本を読んで下さった読者の方々、 イベントに参加下さった皆さん、本当にありがとうございました。
事務所の環境が整うのは11月半ば、本が出始めたのは半年後、今年4月でした。

9月20日 
気がつけば、すっかり季節が変わっていました。
更新が滞ってしまって、もうしわけありません。
少しずつですが、アノニマ・スタジオの活動を紹介していこうと思います。
と、少し弱気な再開です。
あまり気張らずに、できることをする。
ということで、今後ともどうぞおつき合いください。


9月20日 
週末イベント、またはじめます!
7月に行なった内田真美さんの週末食堂以来、
お休みしていた週末イベントを10月から再開します。
10月から「高山なおみさんのすり鉢教室」を隔月で3回開催します。
週末食堂」は瀬戸口しおりさんの会を準備中です。


新しい本がでました!
7月、8月と新しい本が出ませんでしたが、
9月はなんと4冊も新刊が出ます。
原宿の雑貨店「サンク」の保里さん、
渋谷のバー「バール・ボッサ」の林さんと作った
ボサノヴァの教科書、その名も『ボサノヴァ』(発売中)、
ジャック・タチの名作をイラストたっぷりでノヴェライズ
『ぼくの伯父さんの休暇』(発売中)、
小澤典代さん(『Basic Life』シリーズでおなじみ)たちと
作った小冊子『フウチ 1』(9月27日発売)、
高山なおみさんの日記エッセイ第二弾
『日々ごはん 2』(9月27日発売)。
どうぞ店頭でお手にとってご覧ください!


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