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現地に行くのが叶わないなら、妄想旅行へ! いまのうちに、ベトナム愛をたっぷりと育んでおきましょう。20年来ベトナムに通い続けている『ホーチミンのおいしい!がとまらない ベトナムの食べ歩きガイド』著者3人が、同書に収録しきれなかったあれこれを綴ります。ディープすぎて、ごめんなさい。

タイトルデザイン:岩淵まどか(fairground)
イラスト:阿部伸二(karera)


こぼれ話7

そのときだけの!シリーズ
中秋節(Tết Trung Thu)

写真・文/足立由美子


中秋節は中国由来の伝統行事。旧暦8月15日に行われるお月見の風習です。日本の十五夜に近いですね。最近では「子どもの成長を祝う日」ともいわれ、子どもたちのためのイベントもたくさん行われています。

今年の中秋節は9月21日。例年、街を挙げてのにぎやかなお祭りになります。




中秋節には家族で過ごし、月餅(Bánh Trung Thu)を食べるのが慣習で、親しい人たちで月餅を贈り合います。私もちょうどこの時期に現地に居合わせた際には、箱入りの月餅をいただきました。街には月餅販売の期間限定特設店舗ができたり、いつもはパンを売っているお店の店頭に月餅だけがずらりと並んだりと、このときだけにしか見られない光景が!

ベトナムの月餅は、日本のそれよりもっと大きく、ずっしりとしています。伝統的な月餅の餡には、緑豆や蓮の実の餡、塩漬けのうずらの卵が入っています。











最近では、メゾンマルゥ(『おいしい!がとまらない』P.89)やコンカフェ(同P.34)といったおしゃれな新進気鋭店でも、すてきなデザインのパッケージで月餅セットを販売しています。老舗のケーキ屋さんも負けじと、ラズベリーやブルーベリー、チーズ、抹茶などいろんな味の月餅をつくっているので、コンテンポラリーな月餅とトラディショナルな月餅の食べ比べもまた楽しいかもしれません。

どこの国でも、そのときにしか味わえないものがあります。「そのときだけ」に邂逅できるのは、旅の醍醐味のひとつです。







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足立 由美子(あだち・ゆみこ)

東京・江古田にあるベトナム屋台料理店「Mãimãi」「ECODA HẺM」店主。ベトナム料理では、バインミーとビールに合うつまみ系にめっぽう強い。キッチュでユニークな雑貨を見つける名人でもある。ベトナムの魅力を積極的に発信中で、次に日本で流行らせようと目論んでいるのはヨーグルトコーヒーとケムボー。著書に『バインミー』(文化出版局)、監修に『バインミー図鑑』(柴田書店)。著者3人をバレーボールチームにたとえると、ポジションはマネージャー。物事をしなやかに受け止める調整役。
hem.ecoda.jp


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