アノニマ・スタジオWeb連載TOP > ベトナムのこぼれ話!がとまらない もくじ > こぼれ話2 生春巻きはどこで食べるのが正解? (Gỏi cuốn)

ベトナムのこぼれ話!がとまらないベトナムのこぼれ話!がとまらない

連載もくじ >>

現地に行くのが叶わないなら、妄想旅行へ! いまのうちに、ベトナム愛をたっぷりと育んでおきましょう。20年来ベトナムに通い続けている『ホーチミンのおいしい!がとまらない ベトナムの食べ歩きガイド』著者3人が、同書に収録しきれなかったあれこれを綴ります。ディープすぎて、ごめんなさい。

タイトルデザイン:岩淵まどか(fairground)
イラスト:阿部伸二(karera)


こぼれ話2

生春巻きはどこで食べるのが正解?
(Gỏi cuốn)

写真/伊藤忍、野村美丘

文/伊籐忍


『おいしい!がとまらない』でもご紹介している、ホーチミン(ベトナム南部)の名物の「生春巻き」について、より詳しくお話しします。



ベトナム料理やベトナム旅行初心者ならば、何はさておき生春巻きの存在が気になるはず。しかし本書では、レストランで提供されている生春巻きは掲載していません。なぜって、現地のベトナム人が日常的に食べる生春巻きをご紹介したかったから。

じつはレストランで食べるような気取った料理ではなく、生春巻きはストリートフードなのです。生春巻きの皮=ライスペーパーは、卓上でさまざまなおかずや生野菜、ハーブなどを手巻きする食材。つまり、じっくり時間をかけるのが本来の食べ方。それを、具材をあらかじめ巻いておき、ファストフード的に手軽に食べられるようにしたのが生春巻きというわけ。




そのような立ち位置の生春巻きですから、軽食・点心類(麺類やおこわ、餅類、粉もの、チェーなど)の店で、軽食やおやつとして食べるものなのです。

本文でご紹介しているバインセオの店(P.49)のほか、麺とブンマムの店(P.70)、ベンタイン市場(P.73)内、チェーの店(P.100)、麺と餅の店(P.106)でも食べられます。また、ボッチンの店(P.104)では、本書で紹介しているのは生春巻きのルーツといわれる華人風春巻きですが、メニューにはノーマルな生春巻きもあります。






日本でも気軽に食べられる生春巻き。でも現地に行ったなら、現地流に食べてみることをおすすめします!
店頭でのピラミッド型積み重ね、屋台での縦並び。ディスプレイにも注目です。







連載もくじ >>

伊藤忍(いとう・しのぶ)

ベトナム料理研究家、「ăn cơm」主宰。フードコーディネーターの仕事を経て、2000年からベトナムに滞在。帰国後、2004年からベトナム料理研究家として活動を開始。長年の研究と経験で培われたベトナム料理の知識は非常に豊か。ベトナム関係者のなかで伝説の名著といわれる『ベトナムめし楽食大図鑑』(情報センター出版局)はじめ、著書多数。最新刊は『ベトナムかあさんの味とレシピ』(誠文堂新光社)。著者3人をバレーボールチームにたとえると、ポジションはキャプテン。全体を見渡しプランと対策を練る先導者。
www.vietnamfoodnet.com


『ホーチミンの
おいしい!がとまらない
ベトナム食べ歩きガイド』


全国書店にて好評発売中


アノニマ・スタジオWeb連載TOP > ベトナムのこぼれ話!がとまらない もくじ > こぼれ話2 生春巻きはどこで食べるのが正解? (Gỏi cuốn)