生まれたばかりの赤ちゃんは、
まだ目がよく見えず、息子も最初は、
ぼんやりとしか見えていない様子でした。

二ヶ月くらい経った頃、
だんだんとはっきり見えてきたようで、
いろいろなものを
目で追うようになりました。

とはいっても、
仰向けで寝てばかりいるので、
息子の視界は限られます。

少しでも楽しめるようにと
天井になにか仕掛けが欲しいな
と思いました。

まず、入手したのは、
デンマーク製のモビール。



のんびりと揺れる具合が目に優しくて、
北欧らしい、大人も楽しめるデザインも
いいなと思いました。

それでも、モビールは大きくはないので、
息子からは離れた位置にあり、
遠い存在のような気がしました。
もっと近くに、楽しめるものがあれば
と思い、作ってみることにしました。

まず、余っていた毛糸を使って、
大きな毛糸のボンボンをたくさん作りました。
それをリボンやかわいい紐でゆわえ、
天井からぶら下げました。



友達が作った毛糸のコースターや、
パッケージ買いした
オイルサーディーンの空箱もぶらさげてみると、
なんだか楽しくなってきました。



紐は、マスキングテープで
天井に張りつけました。



もし落ちてきて、
ぶつかってしまうことがあっても、
マスキングテープや紐、毛糸ならば、
痛くも、危なくもありません。

モビールと違って、
実際にボンボンを手に取って
遊べるのも良いところでした。

私がボンボンを遠くに投げると、
あっちにきたり、こっちにきたりと
とても大胆に移動します。

これは息子にも大好評で、
笑いを引き出すこともできましたし、
おむつ替えをするときに注意を引くのにも、
大いに役立ちました。



息子の手がよく動くようになる頃には、
あちこちのボンボンに手を伸ばすようになり、
楽しい遊び道具にもなりました。



そして何より良かったなと思ったのは、
部屋が楽しくなったことです。

産まれてからしばらくは、
お母さんはほとんどの時間を同じ場所で
赤ちゃんと過ごすことになります。

かくいう私も、家のリビングで
一日のほとんどを過ごしていました。

長い時間を過ごすことになる部屋は、
赤ちゃんはもちろんですが、
お母さんも楽しく過ごせる
場所であってほしいと思います。

自分の好きな色で、
好きなように飾り付けをすることで、
気に入った空間になり、
とても明るい気分になれたのでした。

特にこの頃は、
昼夜問わず、ほぼ2時間おきの授乳で
慢性の睡眠不足。
育児にもまだ慣れていなくて、
気分が落ち込むことも多かった気がします。

そんな気持ちを、
確かに和らげてくれました。

お母さんが嬉しいと、
赤ちゃんも嬉しいものです。
お母さんの機嫌が良ければ、
赤ちゃんも機嫌が良くなります。
この頃は特に一心同体だったと思います。

天井からボンボンをぶら下げただけのことでしたが、
お互いにとって、とても良い効果だったなあ
と記憶しています。



家にあるもので作ったので、
材料費もほとんどかかりませんでしたし、
飽きればすぐに取りはずすことも、
作り変えることもできます。

私にとってはたまたまボンボンでしたが、
きっと何でも良いのだと思います。
お母さんが楽しい、好きと思えるものがいいのです。

赤ちゃんがお昼寝している間に、
ぜひお気に入りの空間づくりを
楽しんでみてくださいね。





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