太陽の恵みの夏野菜

16 キュウリとゴーヤとヘチマ


ゴーヤの花
もう10月に入ったというのに
まだまだ夏のような暑い日が続いています。

散歩途中のご近所の庭をのぞけば、
キュウリが元気にツルを伸ばしていました。
ゴーヤに至っては、
黄色い花がいくつも咲き続けていて、
まだ夏を楽しんでいるかのようです。

花付きのキュウリ
キュウリやゴーヤなどの「ツルモノ」は、
夏に育てたい野菜として、
すっかりおなじみですよね。
グリーンカーテンとして暑い日差しを遮りながらも、
実も楽しめるというお得感が嬉しいものです。

かく言う私も植えない夏はないほど、
何度もグリーンカーテンを楽しんできました。
ツルが上へ上へと目指していく様子は、
いつ見ても、とても気持ちが良いものです。

キュウリは炒めても美味しいです
さて、そんなツルモノ野菜の中で、
皆さんが一番食べ飽きずに育てられるのは、
レシピに困らないキュウリではないかと思います。

食べ飽きずに、と書いたのは、
成長の早いツルモノは、うまく育てられれば
びっくりするくらい沢山の実をつけるからです。
その野菜を食べるのが好きかどうかは、
品種を選ぶ大切なポイントになります。

手が届かなくなったので、門柱に乗ってキュウリを収穫
さて、実際に育ててみると
キュウリは繊細なところがある印象です。
低温にも高温にも多湿にも弱く、やや手間がかかります。

梅雨時には、葉っぱに黄色い斑点が出るベト病に、
真夏の暑い時期には、葉が白くなってしまう
ウドンコ病になることが多くありました。

また、キュウリの葉はとても大きいので、
育ってくると、
自分の葉のせいで日照不足となります。
その為、混み合った部分の葉を
取ってあげる必要もあります。

かといって、一度にたくさん葉を取ると
株が弱ってしまうことも。

また実付きをよくするために、
ある程度の大きさになったら親ツルの剪定も、
またその後、小ツルの剪定も必要です。

などと、やや手間がかかるので、
子供を見守るような気持ちで、
手助けをする必要がある野菜です。

かわいいゴーヤの赤ちゃん
その点、ゴーヤはたくましいです。
どんな場所に植えても、
太陽さえ当っていれば育ちます。
病気になったところは見たことがありません。
ツルの剪定も不要で、放任で問題なく、
この上なくラクチンな野菜と言えます。

ツルもあれよあれよと伸びていきますので、
立派なグリーンカーテンもできあがります。
当然、実もどんどん付きます。
それはもう、飽きるほどに。

ゴーヤのトンネル
ゴーヤの難点は、食べ飽きてしまうことでしょうか。
飽きてくると、
収穫しなくなってしまうことも問題です。
食べごろだなあと思っても、飽きてしまうとつい
明日でいいかと収穫を先延ばしにしてしまうからです。

しかしゴーヤは収穫せずに放っておくと、
あっという間に熟して黄色になり、破裂します。
次の世代を残すべく、種をまき散らすわけです。

真っ赤になった種の周りは美味しいスイーツです
黄色くなる頃には、中の種の周りが
真っ赤なゼリー状になっています。

そのため破裂すると、
手の届かないような高さの壁に
ゴーヤの真っ赤な種がべっちょりと付着、
なんて惨事になります。

破裂寸前の黄色いゴーヤを収穫
ただ、この赤いゼリー状の部分は
甘くてとても美味しいのです。
この美味しさを知ってからは、
青いゴーヤに飽きた頃に、わざと放置し、
黄色いゴーヤを収穫するようになりました。

冷蔵庫で冷やして食べれば、
とても美味しいスイーツになります。
同じウリ科のメロンのような味わいです。
黄色くなったゴーヤも苦みがなくなっているので、
刻んでサラダに加えたり、
スムージーなどに使うと美味しく頂けます。

二階の屋根まであっという間にたどり着いたヘチマ
さて、ゴーヤのたくましさよりも
さらに上を行く野菜があります。
沖縄でよく食べられているヘチマです。

全く手がかからないので、
育て方を書く必要もないほどです。

ヘチマの肌にはイボがなくつるりとしています
ヘチマは定番の味噌炒めが、
一番美味しく頂けました。
しかし、沖縄出身でもない私には、
ヘチマは何度か食べただけで満足してしまい、
毎日、食卓に上げることはなかなか難しかったです。

けれど、ヘチマは他にいろいろと利用法があります。

そろそろ夏が終わるよという頃に、
地面から50~60センチ当たりの茎をはさみで切り、
その先をビンに差して置き、3~4日ほど待つと、
お肌に良いとされるヘチマ水を集めることができます。
純度100%の手作り化粧水となります。
これは祖母が毎年、作っていました。

また、ヘチマは育つと実の中の繊維が発達するので、
収穫後、水に浸して腐らせ、皮をはげば、
立派な天然のスポンジが出来上がります。

こちらも随分前ですが、トライしたことがあり、
それはそれは立派なスポンジができました。

しかしながら、腐らせている間の水が臭すぎて、
とてもおすすめできるものでは有りません。
いつか完全な自給自足生活を送るときが来たら、
また試すかもしれません。

ヘビのようなキュウリを見つめる猫
キュウリ、ゴーヤ、ヘチマ、
どれも魅力的ではありますが、
手軽に、美味しくという観点では
ゴーヤに軍配といったところでしょうか?

いずれもグリーンカーテンには最適ですので、
お好きな「ツルモノ」をぜひ育ててみてくださいね。

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良原リエ

音楽家。主にアコーディオンやトイピアノの鍵盤奏者。古い鍵盤楽器やトイ楽器を多数収集し、演奏する。国内外でCDをリリースする他、映画やテレビ、他アーティストのレコーディングやライブなど、様々なジャンルで演奏を残している。2012年に男児出産後は料理、庭、インテリア、子育てなど暮らしまわりが紹介されるようになり、ライフスタイル全てが活動の場に。著書に『音楽家の台所』(コノハナブックス)、『トイ楽器の本』(DU BOOKS)、『たのしい手づくり子そだて』(アノニマ・スタジオ)がある。
http://tricolife.com/

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