はじめに

 皆様こんにちは。北フロリダのアンダーソンです。この度『台所のメアリー・ポピンズ おはなしとお料理ノート』のスピンオフ的な連載で、 二週間に一度くらい皆様にWeb上でお目にかかることになりました。拙著『アメリカ南部の家庭料理』、『アメリカン・アペタイザー』とかなり趣が違うので、先にこの2冊をご覧いただいた方は「何故突然イギリス?」と戸惑われたかもしれません。そもそもこの本は、今から40年ほど前に『メアリー・ポピンズのお料理教室』(原題 Mary Poppins in the Kitchen)というタイトルで日本でも翻訳版が出版されており、私の愛読書のひとつでした(現在は絶版)。母が初版で買い求めてくれたもので、いつも実家の本棚にあり、折につけページを開く心のよりどころのような大切な本で、今は北フロリダの我が家の本棚にならんでいます。
 
 アメリカでは、白黒だったイラストにカラーを施した復刻版が約10年前に出版されたのですが(現在も販売中)、 ふとしたきっかけで昨年それを手に入れました。それのなんとかわいらしかったこと。明るい色使いのレイアウトや装丁をとても気に入り、 日本でも復刻版が出版できたら、と強く思ったのです。アノニマ・スタジオに相談したところ、OKをいただけて新訳、新装丁で昨年出版となりました(おはなし訳は小宮由さんがご担当で、私はレシピ訳を担当)。詳細は絵本ナビのインタビューにも出ていますので、ご興味のある方はそちらもご覧ください。
 
 ただ1点、お断りしておかなければいけないことがあります。実は今回の新訳版は、旧訳版よりレシピ数が減っています。アメリカの復刻版はオリジナルの半分以下のレシピ数でしたが、それでは「お料理ノート」と呼ぶにはあまりにも寂しかったので、おはなしにのっているメニューや伝統的なイギリス料理のレシピを可能な限り復活させてもらい、最終的に57品をとりあげています。旧訳版ファンの方でお気づきになられた方には、そのような経緯があったことをご承知いただければと思います。

 これから二週間毎に、本に掲載されているレシピを数点のポイントやアドバイス付きでご紹介します。昨年のレシピ検証中に撮影したスナップ写真も載せていますので「あの料理はこんな出来上がりだったんだ」とイメージしやすいかと思います。機会があれば、是非一度作ってみてください。
アンダーソン夏代
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読んで、作って、楽しめるメアリー・ポピンズの世界

台所のメアリー・ポピンズ
おはなしとお料理ノート

作:P.L.トラヴァース
絵:メアリー・シェパード
おはなし訳:小宮由
お料理訳:アンダーソン夏代
本体価格1600円(税別)

「メアリー・ポピンズ」という名前を、聞いたことはあるけれど、お話は読んだことがない、という方もいらっしゃるかもしれません。児童文学の定番であり、多くの読者が世界中にいるシリーズの主人公です。この本には、ファンの方であればより楽しめ、はじめて出会う人には「入門」になるようなお話の世界が1週間分に凝縮されています。そして一番の特徴は、メアリー・ポピンズのお料理ノート。子どもだけで出来る簡単なメニューから、大人もはじめて挑戦するようなイギリスの伝統料理、読むだけでもいろんな想像が膨らむレシピをお楽しみください。


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