第11回 ザリガニ~ザリガニを捕まえよう編~



 息子と生きものの世界にどっぷりとはまるきっかけになったのは、ザリガニ釣りです。何気なく立ち寄った公園に、たくさんのザリガニが棲む池がありました。みんなが楽しそうにザリガニ釣りをする姿を見て、俄然やる気になり、その後、何度も通ううち、私たちもすっかり上手になりました。

捕まえたザリガニ


 ザリガニは、田んぼや用水路、沼、池といった、水流がほとんどなく、水深が10~40センチ程度と浅い泥底の水辺が好みだそうです。田んぼが残る地域でならすぐに見つかりますね。都会でも公園内にある水辺があれば、ザリガニスポットの可能性も。検索してみれば、おそらく身近にもあるのではと思います。

釣り場

 さて、場所が見つかったら、ザリガニ釣りの準備です。簡単な方法をご紹介します。

●用意するもの

  • 棒切れ(または割り箸)
  • せんたくばさみ(またはクリップ)
  • アタリメ
  • 虫かご(または深さのあるタッパーなど)

 家にあるもので、ほぼ用意できるのではと思います。アタリメはコンビニのおつまみコーナーに、網は100均で見つかりますよ。

道具

 準備ができたら、早速、挑戦してみましょう。手順は以下の通り。

1)1メートルぐらいの紐を棒切れの先にくくりつける。
2)反対側の紐の先にせんたくばさみをくくりつけ、アタリメを挟む。
3)池に紐を垂らす。

 しばらくするとザリガニがゆっくりと近づいてきて、アタリメをハサミでつかむはずです。この時に引き上げるのはNG。すぐに逃げてしまいます。ハサミでつかんだあと、口元に持っていくまで待ちます。完全に食べ始めてから、ゆっくりと慎重に紐を引き上げます。これでザリガニを捕まえることができるはず!

 子どもが紐を引き上げる係、お父さんやお母さんなどが横で網をスタンバイしておき、引き上げられたザリガニが水面から出た瞬間に網ですくう、という連携プレーができれば、高確率で捕まえられます。私たちはこの連携プレーで達人になりました。

連携プレー


 自分で達人というのもなんですが、ザリガニ釣りなら任せてねぐらいの自信があります。ですが、私たちも何度も何度も失敗しながら、その都度、ザリガニの行動をよく観察して、だんだんと捕まえられるようになりました。どうしたら捕まえられるのかということを親子で考え、試していく過程はとても楽しいもの。ぜひいろんなやり方でトライしてみてくださいね。

大きくて立派なザリガニ


 いや、少しでもヒントが欲しい!という方のために、経験から得たポイントをいくつかご紹介しておきます。

●気温20℃~30℃ぐらいが活動的

 ザリガニ釣りが可能なのは、4月のあたたかい日中~11月のあたたかい日中ぐらいまです。一番たくさん釣れたのは7月~9月あたりでしたが、酷暑ではザリガニにとっても暑すぎるようで活動が鈍くなります。冬は、近場の陸地に穴を掘って冬眠するそうです。

春の日のザリガニ釣り

●早朝、夕方が狙い目

 ザリガニは夜行性です。そのため、早朝や夕方はよく釣れます。朝5時にでかけた日は驚くほど釣れました。ただ、日中もまったく釣れないことはなく、適温であれば日中でも活動しています。

たくさん釣れました


●雨の日も狙い目

 わざわざ雨の日に行かなくても、と思いながら行った雨の日にとてもよく釣れました。調べてみると、雨の日には日中でもよく活動するそうです。

雨の日は寒いけれどよく釣れます


●草葉や杭の影にひそんでいる

 池の真ん中を悠々と泳いでいるといった光景は見たことがありません。暗く、影になるようなところに隠れています。エサを見つけると物陰からゆっくりと近づいてきて、そっとハサミでつかんで静かに食べ出すといったことが多いです。

●危険を察知すると後ろにジャンプして逃げる

 ザリガニは敏感で、紐や網を無造作に動かすと素早くジャンプして逃げます。危険を察知した場合は、後方へジャンプをするので、ザリガニの尻尾側に網をスタンバイしておくと良いです。


 また、ザリガニ釣りをしていると、ほかの水辺の生きものに出会えるのも楽しいですよ。小さな魚のメダカやモツゴ、オタマジャクシ、ヌマエビ、ヤゴ、アメンボなどなど。トンボもたくさん飛んできます。

大きなオタマジャクシ



ヌマエビやヤゴも見えます


 さて、私たちが見かけるザリガニはアメリカザリガニという外来種です。在来種のニホンザリガニも存在するのですが、今は北東北と北海道にしかいない貴重な存在です。

 実は、外来種であるアメリカザリガニは、今年の6月から特定外来生物に指定されました。これまでどう扱ってもよかったのですが、いいこと、ダメなことが明確に定められました。簡単にまとめると

●ザリガニ釣りはOK

●釣ったザリガニをその場でリリースはOK

●釣ったザリガニをペットとして飼うために持ち帰るのもOK

●持ち帰ったザリガニをやっぱり飼うのをやめた!とリリースするのはNG

 つまり、これまで通りザリガニ釣りは楽しめるものの、釣ったザリガニを家に持ち帰るなら、ザリガニが死ぬまで責任を持って飼ってね!ということです。そのザリガニを釣った場所であっても、戻してはいけないことになりました。

 アメリカザリガニはとても強く、在来種の植物や生きものに大きな影響を与えてきました。そのための規制なのですが、そもそも一度でも人間の元で飼い、人間の作る環境に慣れてしまったら、もう元の世界には戻れないものですよね。だから、こうして法律で決められたことはザリガニにとっても良いことではと感じています。

つぶらな瞳がかわいいのです


 さて、ザリガニ釣りの一番いいところは、池に集まった見知らぬ方々ともすぐに仲良くなれることです。みんな、ザリガニを釣りたい、という同じ目的を持って集まってくる同士。自然と会話が生まれるのです。生きもの博士のような子がたいていいますから、水辺の生きものについて教えてもらったり、釣りの上手な子は初めての子を手伝ったり、全部持って帰る!という小さな子をみんなでなだめたり。子ども同士で話したほうが、伝わることってありますよね。親同士も情報交換でき、いつも和気あいあいとした雰囲気になるのがとてもいいなと感じています。

我が家の成果に群がる初対面の子どもたち


自然に仲良くなります


 次回は、ザリガニの飼い方についてご紹介します。我が家でも、数年間ほど飼っていました。ザリガニ特有のおもしろい習性もあり、さらなる魅力が伝わるのではないかと思います。次回もどうぞお読みくださいね。

見つけやすさ★★★★
飼いやすさ★★★★★
親子レジャーに
ぴったり度
★★★★★



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プロフィール

良原リエ

音楽家。アコーディオン、トイピアノ、トイ楽器の奏者として、Eテレ「いないいないばあっ!」の音楽をはじめ、映画やテレビ、他アーティストの楽曲などの演奏、制作に関わる。インテリア、庭づくり、ハンドメイド、リメイク、子育てなどライフスタイル全てが活動・表現の場になっており、親子、子ども向けのワークショップ、イベントプロデュースなども行っている。著書に「食べられる庭図鑑」「たのしい手づくり子そだて」「まいにちの子そだてべんとう」(アノニマ・スタジオ)「トイ楽器の本」(DU BOOKS)など多数。
instagram ID : rieaccordion


良原リエさんの本

食べられる庭図鑑

広い庭がなくても大丈夫! 小さな庭やベランダで始められる、家庭菜園や庭作りのアイデアをたっぷり紹介。「野菜」「ハーブ」「果樹」「雑草・野草」など、育てて楽しい、食べて美味しい植物88種と簡単なレシピを掲載。一年を通して自然に親しむ暮らしを提案します。





たのしい手づくり子そだて
―リメイクと遊びのアイデアブック―

子どもになにか手づくりして上げたいおかあさんたちに、もっと手軽に気楽に手づくりを楽しんでほしいという良原リエさんの想いが込められた、実用アイデアブックです。センスが光る古着の形や素材を活かして作る簡単リメイクは、ものを大事に受け継ぐ気持ちと、手づくりの楽しさや自由さを教えてくれます。子どもとのかけがえのない時間を手づくりでいっしょに楽しむ、季節ごとの遊びもご紹介しています。




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