アノニマ・スタジオWeb連載TOP > 暮らしのなかのSDGs もくじ > その10 SDGsをかんがえるブックリスト【ごはん編】2

イラスト/江夏潤一


その10

SDGsをかんがえるブックリスト
【ごはん編】2


「もったいない」という日本語は、無駄をなくすというだけでなく、畏敬の念が込められた日本独自の美しい言葉。環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさんも来日時に感銘を受けたといい、今では世界を繋げる合言葉(MOTTAINAI)になっています。
その一方で、日本の食品ロスは世界トップクラス。この現実、何とかできないものでしょうか。せめて、わが家の食卓や台所から、少しずつ良い方へと変えていきたいものです。
また、日本の伝統的な食文化である和食は、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。栄養のバランスに優れ、季節や年中行事、地域とのかかわりも深い和食。各地に伝わる郷土料理は、伝統的な食文化を守ることにもつながります。
今回のブックリストは「ごはん編」ということで、“食材を生かし、おいしく・無駄なくいただく”ための5冊をピックアップ。シンプルな調理法で味わう野菜のおいしさを再発見したり、冷蔵庫にある残り物でもじゅうぶんに満足できるアイデアが詰まっています。“おいしい”が循環する心地良さを、ぜひ味わってみてください。





『毎日のお味噌汁』
平山由香

ほんの少し残った素材をおいしく活用するには、お味噌汁が一番です。料理家の平山由香さんが毎朝楽しんでいるお味噌汁は、とてもバラエティ豊か。「思いがけない素材や取り合わせでも、お味噌汁は、やさしく受けとめ、まぁるく調和してくれます」とあるように、具沢山で主菜になるものや、パンに合わせてもおいしいレシピなど、和にも洋にも主役にもなるお味噌汁のレシピが満載。残りものの食材を使い、季節の野菜や具材を楽しみながら生まれた151のアイデアのほか、手軽な出汁についてやおすすめの味噌、吸口、具材についても紹介しています。





『野菜だより』
高山なおみ

季節のいきおいをまるごと食べる、79のレシピ。18種類の野菜をメインにした、簡単だけどおいしい、素朴だけど力強い、高山さんらしいレシピが満載です。野菜をさわって表情を見る。匂いを嗅いで、生でかじってみる。野菜にぐっと近づくと、性格がわかって愛着がわいてきます。それぞれの野菜に適した保存法もついているので、野菜の葉っぱからしっぽまで大事に食べられます。食材とちゃんと向き合うことで、無駄なくおいしく食べようという気持ちが芽生えてきます。





『日登美のオーガニックな家庭料理』
日登美

昔ながらの台所の智恵や、マクロビオティックの智恵、4人の子どものお母さんとしての智恵をシェアするレシピ集です。玄米菜食を基本とした動物性食品を使わないごはんとおやつ80品のほか、巻末にはエッセイ「台所から出来ること」、日登美さん流のマクロビオティック解説や家庭での「手当てのレシピ」を紹介。心身ともに健やかでいるために、台所から暮らしを豊かにしたい、食の安全と大切さを考えるすべての人におすすめです。





『自然がくれた愛情ごはん
―かるべけいこの野菜料理』

かるべけいこ

熊本・阿蘇山に家族とともに暮らす、かるべけいこさんのレシピ集。四季折々の自然の恵みを、素材の味をひきだす知恵と最小限の調味料でいただく、しみじみおいしい野菜料理の本です。分量などの詳細な記載はなく、自らの感覚を研ぎ澄ませながら行うことで味覚の感覚も鍛えてくれます。景観豊かな自然の中で、自家菜園の無農薬野菜で作る自然食料理に目覚めたという、栄養士であり自然食料理家のかるべさん。全国で料理教室の講師として活躍するほか「食のアトリエかるべ」を主宰しています。





『種まきびとの台所』
早川ユミ

布作家・早川ユミさんの家の台所の本。みんなのためにくり返しつくられ、食べ継がれてきたごはんレシピと、”わたしの台所”のつくりかたを伝授。春の台所は、「野生の芽吹きをたべる」。夏は「熱帯をたべる」。秋は「お豆とお芋とお米の畑ごはんをたべる」。冬は「からだをあたためるものをたべる」。料理一つひとつにまつわる話を聞きながら、まるでユミさんの家の台所で隣に立って教わっているかのように、地球のことやたねのこと、ぐるりのことを考え、想像力を働かせて毎日のごはんを作りましょう。






まずは食材を使い切ること。そのために、あれもこれも買いすぎないこと。さらに、すぐに使うものはなるべく賞味期限の近いものにしたり、できるだけ旬のものや近くで採れたものを選ぶことも、SDGsの目標達成につながります。
紹介文の最後にある番号は、本に書かれている内容でSDGsにも結びついているものを目標の数字で表しているので、こちらも参考にしてみてくださいね。






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編/アノニマ・スタジオ

アノニマ・スタジオは、KTC中央出版の「ごはんとくらし」をテーマとしたレーベルです。食べること、住まうこと、子育て、雑貨・・・暮らしを少し豊かにしてくれる生活書を中心に、本づくりやイベントを行っています。



暮らしのなかのSDGs
今と未来をつなげるものさし

編/アノニマ・スタジオ
定価 1650円(本体価格1500円)

持続可能な社会をつくるために、どうしたらいい? 経済、社会、環境、どれもが私たちの暮らしに結びついています。日常の場面から考える「SDGs思考」を身につけ、「SDGsの“ものさし”」を自分のなかに持つことができるアイデアブック。SDGs入門書としてもおすすめ。



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