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はじめに

いろんな夫婦の「けんか」の話を聞く、インタビューをはじめます。
「けんか」の話を聞きたい!と思ったきっかけは、わたし自身が夫と結婚してから8年間、けんかの絶えない日々を送っているからです。夫とわたしは正反対の性格で、生活習慣も全然ちがう。それでも尊重しあっていけると思っていたのに、現実は甘くなかった…。日々小競り合い、定期的に爆発的大げんかに発展する、そんな現実に疲れ果てた日、もうダメだ!と思った日、円満そうな夫婦を恨めしく思った日を乗り越えて、現在の夫婦の合言葉は「3秒でけんかする」。もはや回避をあきらめています。ですがそんな今、思うこと。けんかって、実は素晴らしいことかもしれない。

けんかって、一人では絶対できないことです。
一人では絶対できないことを何度も繰り返していたら、いつのまにか予想外の決断をして、思ってもみなかった場所に辿りついたこともありました。振り返ってみればわたしの人生の展開は、夫とのけんかなくして起こらなかった。ピンチはチャンス。けんかに感謝。そんな思いも湧くのです。

どんなにうまくいっているように見える夫婦でも、わかり合うなんて容易なことじゃないはず。そんな容易じゃないことをしようとする時、けんかもする筈だし、それがあるから二人でしか起こせない何かが始まっているかもしれない。
「けんかの後は一杯のお茶」では夫婦のけんかの話を通して、けんかの後に生まれたもの見つけたもの、そんな2人が築いている関係に迫りたいと思います。
避けられないなら、向かっていこう。様々な夫婦のけんかの話を聞くことで、わたしと夫の関係も変わるのか?変わらないのか?答えはわからないのですが、取材を通して夫婦ってなんだろう?と今一度考えていけたらと思うのです。



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中村暁野(なかむら・あきの)

一つの家族を一年間にわたって取材し一冊まるごと一家族をとりあげるというコンセプトの雑誌、家族と一年誌『家族』の編集長。夫とのすれ違いと不仲の解決策を考えるうちに『家族』の創刊に至り、取材・制作も自身の家族と行っている。8歳の娘と2歳の息子の母。ここ最近の大げんかでは一升瓶を振り回し自宅の床を焼酎まみれに。
夫はギャラリーディレクターを経て独立し、現在StudioHYOTAとして活動する空間デザイナーの中村俵太。
家族との暮らしの様子を家族カレンダーhttp://kazoku-magazine.comにて毎日更新中。



馬場わかな(ばば・わかな)

フォトグラファー。1974年3月東京生まれ。好きな被写体は人物と料理で、その名も『人と料理』という17組の人々と彼らの日常でよく作る料理を撮り、文章を綴った著書がある。夫と5歳の息子と暮らす。そんなにケンカはしないが、たまに爆発。終わればケロリ。
著書に『人と料理』(アノニマ・スタジオ)、『Travel pictures』(PIE BOOKS)、『まよいながら ゆれながら』(文・中川ちえ/ミルブックス)、『祝福』(ORGANIC BASE)がある。




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