クリスマスを楽しんだあと、すぐにお正月の準備がやってくるなんて、
年末とはなんて忙しいのでしょう。

けれども華やかなクリスマスと違って、お正月の準備は飾り付けよりも、
しっかりとお掃除をしてきれいな空間を作ることのほうが
大切だと感じます。
さっぱりとした空間に、そっと小さな飾りをしつらえる
ぐらいがちょうどいいと思うからです。
だから新たに買うものも、作るものも少ないですし、
庭を見渡してみて、足りなければ花を少し買って、
あとは家にあるものでなんとかしてしまいます。

クリスマス飾りにも使うので、
11 月半ば頃から散歩の途中に松ぼっくりを集めておきます。
これは息子にお願いしておくと、忘れず集めてくれるので助かります。
また古い家を借りてきたこともあって、
庭にはたいてい赤い実を付ける南天や千両があり、
寒くなれば水仙も顔を出します。
これらはお正月にあるととても便利です。
庭がなくても鉢で簡単に育てられますし、
お花屋さんをのぞけば、クリスマス前から
野ばらや山帰来さんきらいなどの赤い実もたくさん出回りますね。

お願いできるようであれば新米の頃に、
稲をお米農家さんからお米と一緒に送ってもらい、
飾り付けに使うと楽しいです。
稲を束ねて、赤い南天の実や葉を加え、
束ねたところを松ぼっくりで隠すように結わえたら、できあがりです。
子どもと一緒に作ることができるようにと簡単にしたのですが、
玄関にしつらえてみれば、なかなか良い雰囲気になりました。





赤い実が大好きな息子は、
秋頃から色づく実を取りたいと私に懇願するのですが、
お正月のお楽しみねと言って我慢してもらっています。
お正月の準備が始まればようやく解禁となり、
玄関と料理に飾る分を先に確保しておいて、
あとは好きなように使ってもらいます。
するとおもしろい遊びが始まりました。
祖母の家からもらってきた古い金色の洗面器に水を張り、
実や葉っぱ、花を浮かべ始めたのです。
金色に赤い実というだけでも十分にお正月らしく、
遊びの後もそのままにしておきました。








これにはさらに嬉しい展開がありました。
翌朝、外に出したままの洗面器の中身は寒さで凍り、
息子がさらに浮かべた実や葉っぱ、花が、
美しい氷中花となっていたのです。
お正月の澄んだ空気と爽やかな光の中で、
南天の実や葉っぱが氷とともにきらめいて、
とても美しい飾りとなりました。





息子が小さいうちは頑張りすぎないよう、
おせちも最低限しか作らないことにしています。
それでも料理に実や葉っぱを添えるだけで、それらしくなります。
子どもにお願いできる簡単な仕事ですし、
一緒に楽しくお正月の準備ができたらいいですね。






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